’ちゃんg’ の ’ぶろg’

読書メーターの記事は娘へのメッセージです。将来、同じ本を読んでくれたら嬉しいです。

5月の読書メーター

2019-06-01 | Weblog

5月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2423
ナイス数:172

日本進化論 (SB新書)日本進化論 (SB新書)感想
PoliTech(政治とテクノロジーの融合)とテクノロジー・セントリックな世界。生まれた時からインターネットがある世代がとうとう痺れを切らして自分たちで世界を変えようと立ち上がりつつある。古い世代、シルバー民主主義に自分たちの未来は任せておけない、と怒りにも似たものを感じる。 技術はすでにある。あとは国民の意識改革と規制の緩和が進めば、そうそう自分らに悲惨な未来は訪れない。怖いのは停滞すること。どうか若者を止めないで欲しい。いろんな人がいるから大変だろうけど止めませんよ。天才には頑張って欲しいと切に願う。


読了日:05月29日 著者:落合 陽一
ちどり亭にようこそ4 ~彗星の夜と幸福な日~ (メディアワークス文庫)ちどり亭にようこそ4 ~彗星の夜と幸福な日~ (メディアワークス文庫)感想
終わってしまうのも残念ですが、潔くて好感が持てます。沢山の縁起物と季節の言葉を教わりました。料理のテクニックも。お弁当もそうですけれど、この作者には料理に対する基本的なスタンスがしっかりと根付いていて、相手を思い遣る気持ち、その人が食べて喜ぶ顔が見たい、その喜ぶ顔を見て自分も幸せになる、といった愛についての哲学が根底に流れています。そして最後に彗くんが自分の手でそれを作り出せた時の喜び。本当にここで時間を止めてしまいたいくらいの、そして永遠にこの幸が続いて欲しいと思わせる美しい起承転結の結でした。


読了日:05月26日 著者:十三 湊
ちどり亭にようこそ3 ~今朝もどこかでサンドイッチを~ (メディアワークス文庫)ちどり亭にようこそ3 ~今朝もどこかでサンドイッチを~ (メディアワークス文庫)感想
ホメ言葉として適切かは分かりませんが、円熟してきたなぁという印象。今回は花柚さんと永谷氏の結納があったり、お店の将来について、失踪した兄の登場と物語全体が大きく展開していく。だがしかし、個人的には野乃香と康介の会話がツボ。あと、番外編の美津彦さん(脳内変換:青木崇高)視点のインサイドストーリーが良かった。いいやつじゃ〜!
読了日:05月26日 著者:十三 湊


雪沼とその周辺 (新潮文庫)雪沼とその周辺 (新潮文庫)感想
7つの短編とも実に味わい深い。どれも決定的な結末がないものの、すぐにもう一度読み返したくなる(読み返しました)。特に気に入ったのは「イラクサの庭」と「ピラニア」。解説にもありましたが、まるで天使の視点でその場にいるような、映画を観ているような読書体験でした。手元に長く置いておきたい本がまた一冊増えました。
読了日:05月22日 著者:堀江 敏幸


ちどり亭にようこそ2 ~夏の終わりのおくりもの~ (メディアワークス文庫)ちどり亭にようこそ2 ~夏の終わりのおくりもの~ (メディアワークス文庫)感想
各々キャラが育ってきて、ますます充実してきた。美津彦さんの株が上がってきたねぇ。美形じゃなくてもよかったんだけどな(笑)ちなみに永谷氏はリーヴ・シュレイバーに脳内変換して読んでます(求む同意)。季節ごとの言葉も味わい深くていいですね。「雨濯(うたく)」は6月の雨のこと。雨はうっとおしいと思うこともあるけれど、降った瞬間に匂い立つぺトリコールとゲオスミン、雨音に耳を傾けながらアスファルトの横を流れる小さな川を見ていると、こちらの心まで洗濯されるような気持ちになりますよね。
読了日:05月22日 著者:十三 湊


検事の死命 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)検事の死命 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
事件は迷惑防止条例、満員電車内での痴漢だった。地元の名家である容疑者は否認、被害者は補導歴のある女子高生。「金を払ったら示談にしてやる」・・誰が嘘をついているのか、これは冤罪か否か?それに絡んで圧力をかけてくる有力国会議員と上昇志向の強い地検のトップ。対抗するは佐方の上司と義理堅い警察署長。検事の職を賭した起訴の理由は「犯罪は真っ当に裁かれなければならない」。検事の矜持が真っ向対決し、そして炸裂するクロスカウンター!この設定はエンタメの真髄、マスターピースと呼んでも過言ではない。満員電車では両手を上に。
読了日:05月12日 著者:柚月 裕子


ちどり亭にようこそ ~京都の小さなお弁当屋さん~ (メディアワークス文庫)ちどり亭にようこそ ~京都の小さなお弁当屋さん~ (メディアワークス文庫)感想
いや~、ノーマークでした。これは面白い、というか大好物です。京都にある旧家のお嬢様が営むお弁当屋さんが舞台の人情噺(おもに恋バナ)。妙齢のお嬢様のライフワークがお見合いって斬新な設定だと思う。そのうち「サマーウォーズ」に出てくるおばあちゃん(大物フィクサー役)みたくなっちゃうんじゃないだろうか。それも楽しい。庶民が思い描く上流階級の人々の生活がよく表れている(本物っぽい)し、和食のテクニックも参考になる。もう完結してるみたいだけれど、これは続きが楽しみになってきた。キュンキュンですわ。
読了日:05月08日 著者:十三湊


臨床真理 (このミス大賞受賞作)臨床真理 (このミス大賞受賞作)感想
2009年「このミス」大賞受賞作。2009年当時、臨床心理士、共感覚、統合失調症を扱うのはデビュー作としてチャレンジングだったのだろうか?それにしても犯人の動機には全く共感を覚えないし、最後のバイオレンス・シーンも新しい試みだとは思うが賞狙いの魂胆が透けて見える。盗んだUSBメモリーに唯一の手掛かりがあったり、ミスリードフラグの回収が「失語症特有の語性錯誤」って、反則じゃろー。付録の選評にあった「長台詞による説明の連続が興を殺ぐ」に全く同感でした。ま、こんな日もあるさ。
読了日:05月01日 著者:柚月 裕子

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