’ちゃんg’ の ’ぶろg’

読書メーターの記事は娘へのメッセージです。将来、同じ本を読んでくれたら嬉しいです。

1月の読書メーター

2021-02-03 | Weblog

1月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2355
ナイス数:118

神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)感想
ひと癖ある訳アリな医師たちが患者のQOLのため探偵まがいの活躍をする、しかもこっちの方が本業っぽい!っと、設定はOK、登場する医師・看護師もキャラが立ってて魅力的。なんか小劇場の舞台を観ているようなテンポのよいエンタメ小説でした。もうちょっとミステリー要素が欲しいと思ったのは贅沢だったかな?
読了日:01月31日 著者:知念 実希人


じんかんじんかん感想
松永弾正久秀といえば花村萬月の「弾正星」の印象が強すぎて最初は違和感しかなかった。信長の夜伽話として久秀(九兵衛)の生い立ちと人格形成、その後夢破れてから3つの大悪を成すまでが新解釈(いい人)として語られる。久秀を通して語られる作者の主張にやや青臭いと感じたのと、言葉選びとか武家言葉のテンポのいいところで読みにくい(読めない)漢字が出てきてイラッとした。謀反の理由も独創的かつ伏線回収ではあるけれど、ちょっと納得できないかなぁ。
読了日:01月27日 著者:今村 翔吾


革命前夜 (文春文庫)革命前夜 (文春文庫)感想
面白かった!社会主義国家の終焉と音楽という普遍の芸術を対比させ、フィクションという体裁は取っているもののその当時の喧騒と熱狂を見事に再現していると思う。その中で秘密警察と密告社会、監視される生活を甘受せざるを得ない境遇の友人やベトナム戦争の経験者、北朝鮮出身の留学生が同級生として登場し、いやが上にも当時の日本人の異質感が際立つ。今の世の中では生命を賭す場面は少ないけれど、つい最近まではそれは身近なことだったのだなと再認識させられた。いや、今現在も目を逸らしているだけなのかもしれない。
読了日:01月22日 著者:須賀 しのぶ


ヒストリー・オブ・ラヴヒストリー・オブ・ラヴ感想
読書メーターのレビューが絶賛の嵐なので期待して読み始めたのですが・・ムズカシー!読んでる最中に何度も前に戻って読み返し、難解すぎて感動するの忘れた。327ページしかないのに登場人物も多く、場所(国)と時間軸が入り組んでて「あれ?今しゃべってんの誰だ?」みたいな。「この原稿を送ったのは誰?」とか最後まで読んでから読み返さないとわからない謎があったり、トリッキーな記述・符号があったりと、読み手にカナリの労力を要求する。最後に感動シーンがあるんだけれど、モヤモヤしてたのでイマイチ感動できず。。。
読了日:01月17日 著者:ニコール クラウス

●レオ・グルスキ:78歳、ポーランドからアメリカへ移住し錠前屋を始めた。20歳のときに「愛の歴史」を書き、21歳までに3冊の本を書いた。スロニムに住んでいた、ミンスクで働いていた。アイザック・モーリツの父親
●ブルーノ・シュルツ:レオの幼馴染、同じアパートの上の階に住んでいる。「肉桂色の店」の著者
●ジョゼフ:レオの弟
●アルマ・メレメンスキ:アイザックとバーナードの母、レオとの最初の出会いは校庭で蛾を捕まえたとき
●アイザック・モーリツ:60歳で死去「救済策」をはじめとする6編の小説で高く評価された小説家
●バーナード・モーリツ:アイザックの異父弟/ モーティガイ(モーティ):バーナードの父親、3年前に没
●アルマ・シンガー:14歳、「愛の歴史」の調査を始める
●エマニュエル・ハイム(バード):アルマの弟
●シャーロット・シンガー:アルマの母、オックスフォード中退。アシドドから近いキブツで働いている時にテイヴィッドと出会った。ラマト・ガン(テルアビブ)からブルックリンへ
●デイヴィット・シンガー:アルマの父、アルマが7歳の時に没。軍隊、南米を旅行して学校に戻りエンジニアとなった、キャンプ好き。ブエノスアイレス(アルゼンチン)の倉庫からホルヘ・ルイス・ボルヘスの自宅近くの古本屋で「愛の歴史」を購入する
●ジュリアン叔父さん:シャーロットの弟、アルマの叔父
●フランシス:ジュリアンの妻
●フローレンス(フロー):ジュリアンのコートールド美術館での同僚
●ミーシャ・シュクロフスキー:アルマのボーイフレンド、ロシア人のペンパル、タチアナから紹介された
●ルーバ:エカチェリーナの子孫を自認するミーシャの友達
●ツヴィ・リトヴィノフ:ポーランドからチリ(バルパライソ)に脱出し「愛の歴史」を書いた作家。ユダヤ人学校で教師のパート、最初はイディッシュ語で書かれていたがスペイン語に翻訳した。イディッシュ語で書かれた最初の手書きの原稿は水没。ポーランドのジャーナリスト時代にレオと再会し「愛の歴史」を託された
●ローサ:ツヴィ・リトヴィノフの妻、「愛の歴史」の出版に奔走した
●ミリアム・リトヴィノフ:ツヴィの姉、ワルシャワで法学部に通っていた、 ボリスの母親、ナチスに殺された
●ジェイコブ・マーカス:「愛の歴史」の翻訳を頼んだ謎の人物
●ベイラ・アッシュ:スロニムで自殺
●イグナシオ・ダ・シルバ:「愛の歴史」10章に登場する医師、アルマの恋人。元々はシュローモ・ヴァッセルマンだった
●イサーク・エマヌイロビッチ・バーベリ:天才的なユダヤ人作家・モスクワの秘密警察により殺害される
●ボリス:ツヴィから絵葉書をもらった、キンダートランスポートでイギリスへ脱出した


インビジブルインビジブル感想
久々に読み応えのある警察小説だった。時代背景は戦後9年経った1954年。警察組織がGHQにより民警と国警に分けられ、当時の大阪府には警視庁が置かれていたそうだ。そんな中、3件の連続殺人事件が発生し中卒の新城刑事と東京帝大卒の守屋警部補が事件の真相に迫る。当時、実際にあった造船疑獄や指揮権発動、今の若い人は知らないだろうなぁ(私も生まれてませんけど)。その他大阪読売新聞の黒田清を登場させたりと史実とデティールへのこだわりがハンパない。大阪弁に偏見はないけれど、発音がリアルすぎて最初は読みづらかった。
読了日:01月11日 著者:坂上 泉


レイラの最後の10分38秒レイラの最後の10分38秒感想
10分38秒とは生命維持装置を停止してからも脳波の活動が観測された時間だそうだ。本書の3分の2は殺された娼婦がその短い時間に見た走馬灯のような人生の軌跡。不幸な生い立ちと不運なできごと。幸せだった瞬間、そして5人の友との出会い。第二部はシリアスだった前半にくらべ、墓掘り騒動のドタバタ喜劇。エピローグ前の最後の2ページはファンタジーではあるけれど、もし細胞崩壊が始まるまで記憶がその肉体に留まっているならば、そしてそれを魂と呼ぶならば、その魂の僥倖に涙せずにはいられない。
読了日:01月11日 著者:エリフ・シャファク

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