「万里一条の鉄」というお言葉が在ります。
一条の鉄を以って万里を貫くという意味です。
「済家(さいか)」で言えば、万里は千項目の公案、一条鉄は一則の公案という事です。
しかしこの事も「坐の上から言えば途中の事」です。
転(うた)た悟らば 転た捨てよ」というお言葉が在ります。
「残り物(悟り)」が在っては自由が利かないのです。
「公案禅の弊害」は悟りを固持する処にあります。
学人が「無眼子(むがんす)」の為に「公案」を尊重して指導者の為すがままに成ってしまうのです。
不尽