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最後の登りは花を探す余裕もなく、ひたすらに暑さと傾斜に耐えて登った。最後はフラフラで、少し進んでは立ち止まるようなペースだった。それでも、何とか山頂に到着してザックを降ろした。
そして、ザックから冷えたプレモルを2本取り出し、友達と味わう。さっぱり展望のない所だが、美味い。この場所には2等三角点があった。ビールを飲みながら、少し奥に進むと多少展望の開けた場所があり、正面に大きな山が見えていた。
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武奈ヶ岳?
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ツギハギハツ
友達は下山してから昼食を食べようと考えていたようだが、こちらは朝からバナナ1本しか食べていない。下山まで待てそうもないので、用意していたおにぎりとデザートのシュークリームを食べた。そのまま、山頂周辺で1時間ほど休憩をしてから下山を開始した。
下り始めてからしばらくして、道の脇にイグチの老菌が出ていた。
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何だろう、このイグチは・・・・・
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イグチの名前はさておき、登る途中ではきのきのこには気がつかなかった。こんな目につきやすい場所のきのこに気がつかないというのはおかしい・・・・
おかしいとは思いながら更に下るが・・・・、道はかなりの登りになった。登るときにはこんな経験はしていない。やっぱり、何かおかしいと思った。コンパスを取り出して見ると・・・・・、北に向かっていた。山頂からここまでの間に道の分岐はあったという記憶はないのだが・・・・
仕方なく、来た道を戻りながら道をチェックしてゆく。無駄な登りは倍ほど余計に苦しい。そして、この先、下りだけだからと飲んだビールのせいで、登りの辛さは更に2倍は確実。
結局、山頂まで戻って、やっとどこで道を間違えたのか、分った。山頂からの下り口を間違えていた・・・・・。気をとり直して下るのだが、暑い。汗が滝のように出る。登るときに持ってきたペットボトルのお茶は残り僅か。スポーツドリンクの方は車に置いてきていた・・・・。
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途中、登りの道でこのきのこがクロハツかニセクロハツかを判断する積りで傘の襞に傷をつけて置いておいたきのこが転がっていた。きのこはやはりクロハツ、そして、道は間違いないことが確認できた。
その先の下りの道では花を探すだけの体力はもう残っていなかった。休憩の時に長袖のインナーを脱ぎ半袖一枚に変更し、さらにズボンの裾を折りたたんで、膝までたくし上げた。兎に角・・・・、体全体が過熱しているような気分だった・・・・
何とか下山して、Tシャツやタイツを脱いで着替え、靴も脱いでサンダルに履き換えた。その途中で、両足裏が攣り、それが収まる前に脹脛が攣る。シャツを脱ごうとすると腕が攣る・・・・
これは、熱中症の第一段階だ。思えば、山頂付近では中腰から頭を上げただけで立ちくらみがしていたし、妙に視野が狭くなったような気がしていた。下山後、なかなか痙攣が収まらず、30分ちかく車の周りをウロウロした。何とか車を出せたが辛い帰路の道になった。それでも、ナツエビネの花を見ることが出来たのは上出来の一日だった。満開の頃にもう一度行きたいとは思うが、低山にも係わらず受けた「経験したことのない」ダメージを思うと気持ちが鈍るなぁ・・・・