千住さんリサイタル

2013-07-21 15:52:20 | Weblog
千住まりこさんのリサイタルが大賀ホールであった。彼女のバイオリンを聴くのは数年ぶりである。先月、お母さんをなくされたようで、コンサートへの思いも並々ならぬものを感じた。前回は、ストラディバリの名器を手にして間もない頃で、まだ楽器の鳴りが今一つという印象を受けたが、今回は名器がすばらしく鳴り響き、ホール全体が美音に包まれた。千住さんは、その演奏の好き嫌いを越えて、いわゆるスターだと思う。ステージでの身のこなし、演奏、お客さんの熱狂ぶりなど、スターとしてのすべての条件を備えている。塾時代、彼女は哲学科で美学を専攻していた。NHKTVでチャイコフスキーを聴いて以来、大ファンであった自分は、彼女と同じゼミに所属する先輩Yさんを通して、草月ホールでの演奏会終了後に個人的に紹介していただいた。そのとき、緊張のあまり、不覚にも眼鏡を落としてしまったのである。千住さんはすぐさま気づいて、拾い上げてくださった。大変心遣いの行き届いた方だと思った。あの頃は、演奏家への道を躊躇されていたようだが、今や
日本を代表するバイオリニストとして、王道を歩みつつある。