加藤知子、伊藤恵デュオリサイタルに行く。桐と芸大の現役教授によるベートーベンバイオリンソナタ3曲。5番、7番、9番と進むにつれ、高揚していき、クロイツェルは白熱の演奏であった。加藤さんの音色は骨太である。美音で勝負するというよりは、引き締まった音色と集中度の高さが持ち味という印象。伊藤さんのピアノは、とくにpの音量の時に真価を発揮する。緩徐楽章はとくにすばらしかった。しなやかな手首の使い方とペダリングの妙技。時折、トリラが弾きにくそうな所も見受けられたが・・。アンコールでお二人が、ベートーベンで要求されていることは、とてつもなく高い。自分が刺すか刺されるのかという感じ、という旨のことをおっしゃっていた。ベートーベンの凄さを再認識させられると同時にデュオのすばらしさを堪能した一日であった。