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アラン・ドロン LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を多方面から考察し、またファンの方々との交流に重きを置いております。

Un amour de Swann  スワンの恋 (3)

2005-04-04 | THE 80'S CINEMA
本作でのドロンはあくまでも特別出演で、出番はわずか5シーン、
時間にしてほんの数分しかありません。
しかしながらドロンが演じたシャルリュス男爵は、
ジェレミー・アイアンズ扮する主人公スワンの遊び友達で、
いつも顔の化粧を気にする“男色家”という今までにない役柄で、
強烈な印象の演技を見せてくれます。
普段の作品の中で見せるのような、
胸を張って腕を大きく振りながら大またで歩くことはせずに、
大げさな髭を生やし、腕を後ろに回し、
ステッキを突きながら早歩きする姿は
若干チャップリンに似ているような気がしました。
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Un amour de Swann  スワンの恋 (2)

2005-04-03 | THE 80'S CINEMA
映画は19世紀末のパリの社交界の様子を完璧に再現しており、
ズベン・ニクベストの作り出す映像は、ただただもうため息が出るほど美しく、
ドロンの姿もいつもの気心の知れたフランス映画のスタッフの中での撮影とは違う
緊張感のようなものが感じられます。

セザール賞では美術と衣装で賞をとっておりますが、それは当然の結果と言えるでしょう。
(ちなみにその同じ年の主演男優賞は「真夜中のミラージュ」のドロンでした。)
脚本家の3人のうちジャン・クロード・カリエールは、
ドロンとは「太陽が知っている」「ボルサリーノ」「友よ静かに死ね」のジャック・ドレー監督作の脚本を書いており、
「カサノヴァ最後の恋」も彼の執筆です。
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Un amour de Swann  スワンの恋 (1)

2005-04-02 | THE 80'S CINEMA
Un amour de Swann (1984)

12年位前にビデオで一度見て以来、2003年の深夜のTVで久々に見ることができ、
正直言って、それまでその存在を無視してきた作品だったのですが、
(こういうのが何本かあります。デーモン・ワールドとかナイトヒートとか未知の戦場だとか・・)、
何と素晴らしい作品であったのかと今更ながら驚いております。

日本で公開された当時のキネマ旬報でのこの作品の特集記事では、
確かマルセル・プルーストの長編の一部分の映画化である、
といった文学的な視点からの論述が多く、
ドロンの演技については、「髭を生やしてガニ股で歩く姿はオーバーで作り過ぎ」
などと否定的に書かれて寂しい思いがしました。

ドロンがこの作品に出演した経緯は、
亡きルキノ・ビスコンティ監督がドロン主演で
この文学作品を映画化しようとしていたことがあって(結局実現はしなかった)、
「亡き恩師の遺志に報いるために出演した。」
と『カサノヴァ最後の恋』で来日した時のインタビューで答えていました。
とてもドロンらしい動機だなと思います。
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