陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

欧米に広がる<北京五輪>への疑問

2008-02-29 02:10:32 | 北京五輪関係
 環境汚染や毒入り食品の関係から、<北京五輪>に参加する自国選手の健康を気遣う国が増え、事前トレーニングなどは開催日ぎりぎりまで日本各地で行うとの事、申し込みを受けた北海道や九州の小さな町は、五輪選手との交流が出来ると大喜びだ。

 本来ならば、都市の名前を付けたオリンピックは、その都市の周辺の選手村で、選手達は国際交流をしながら練習に励む。ところが、<北京五輪>だけは上記の理由のため、そうならない。また、一部出来上がった選手村を見学した日本のチームは、設備などで疑問を投げかけている。北京から遠く離れた上海や香港で競技が行われるのも選手にとって不自由な話だ。

 こうした選手達の不便さや健康維持の問題以上に、欧米は<北京五輪>の根本的意味を問いかけている。人権問題を抱え、資源の買漁り、環境破壊などで国家の品位が無いから五輪開催は早いのではと言う意見だ。

北京五輪 欧米、開催国に品位問う 胡政権「正念場」 ボイコットの声も
02/19 09:24更新

 8月8日の開幕まで半年を切った「北京五輪」の開催国中国に、欧米がいらだちを強めている。言論や人権の弾圧など欧米がアレルギーを示す敏感な問題で、中国当局の対応が遅々として進まないためだ。米映画監督スティーブン・スピルバーグ氏による五輪の芸術顧問辞退は象徴的な意味をもつ。米下院でナチス主導の1936年「ベルリン五輪」を引き合いに、ボイコットをちらつかせる動きもある。五輪成否は胡錦濤政権の根幹も揺るがしかねない。

 北京五輪の成功で中国は、大国としての存在感を国際社会に誇示する一方、国内向けには国家意識と連帯感の高揚を狙っていた。同時に昨年秋の党大会を経て2期目に入った胡政権として、江沢民前国家主席に連なる上海閥の影響力を断ち切って、安定的な経済成長に舵を切る内政上のテコとしても期待していた。

 しかし、原油調達を目的とした資源外交を進める中国は、ダルフール問題を抱えるスーダンなどアフリカへ資金支援を拡大。人権団体や欧米の議会などから批判が続出した。米下院では「中国政府が人権侵害をやめない場合は北京五輪をボイコットする」との決議案が提出されており、同時に「ベルリン五輪」を引き合いに、「開催国の品位」が問題にされた。

 中国側は「五輪の政治問題化は許されない」との主張を、いわば唯一の論拠に反論してきた。とはいえ、国際的な映画監督スピルバーグ氏を起用し、マスコットやテーマソングを世界から公募するなど、「世界が北京五輪を支持している」というイメージ戦略のもくろみが崩れ、中国人の「メンツ」もつぶされたことで、次の一手が見えにくくなったのも事実だ。

 チベット問題や、ウイグル独立派、人権活動家の弾圧、台湾統一工作問題など、五輪が近づくにつれ世界から中国に注がれる視線は一段と厳しさを増す。市場経済化は急進展したとはいえ、共産党一党支配体制を堅持する中国で顕在化する矛盾は、とりわけ人権問題に敏感な欧米から「北京五輪の開催は早すぎた」とみられる根拠になる。

 北京五輪に威信をかけた胡政権がどう事態を収拾するか。政治的な角度からも北京五輪への関心度は日に日に強まる。(河崎真澄)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/123759/

 今更と言う気もするのだが、<北京五輪>開催を決めたIOCにも強くクレームを申し入れる必要があるだろう。中共やIOCの返答次第では、選手派遣を止める国が現われても不思議で無いと思う。

(参考)

北京以外の競技開催都市

1.青島 - 青島国際帆船センター : ヨット
2.天津 - 天津オリンピックスタジアム :サッカー予選
3.瀋陽 - 瀋陽オリンピック・スポーツセンター・スタジアム :サッカー予選
4.秦皇島 - 秦皇島オリンピックスタジアム :サッカー予選
5.上海 - 上海スタジアム :サッカー予選
6.香港 - 香港オリンピック馬術競技場: 馬術

(追記:2月29日)

 このような海外の動きに対し、シナ人の反応はどうか。Record China によると

<北京五輪>ダルフール、人権…、8割が「偏見」「西洋人の傲慢」などと受け止め―中国

2008年2月26日、環球時報は「ダルフール問題や人権問題を理由に北京五輪に圧力をかける海外団体」に関するアンケートを実施した。大多数の中国人が諸外国の干渉に不満を抱いている事実が明らかとなった。

回答者の82%が「海外団体は政治的偏見に基づいて行動している」と回答、「善意からの行動」と回答した者は18%に過ぎなかった。調査サイトには掲示板が設置され多くの意見が残されているが、そのほとんどが海外団体の圧力に不満を呈するもの。「まっとうな意見なら聞き入れてもいいが、スポーツを政治的に利用しようとする悪意に満ちた行為」「中国の台頭に対する反発だ」などと書き込まれた。

また先日、ダルフール問題での中国政府の対応を不満とし、北京五輪芸術顧問を辞任したスティーヴン・スピルバーグ監督に対しても、「西洋人の傲慢だ」などと反発が強まっている。(翻訳・編集/KT)
http://www.recordchina.co.jp/group/g16132.html

 何人に対するアンケートなのか明瞭で無いし、例によってデータの操作もあると思うが、これは恐らく中共政府自身の考えを述べているのだろう。
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