陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

核開発用機材とは何か

2009-02-15 21:26:02 | Weblog
 マスコミが、5W1Hを意識して報道をしなくなった事を私は気にしている。下記の共同通信の記事は、その典型と思う。

 核開発に必要な特殊磁石と述べているが、特殊磁石とは何か、材質が何で、どのように核開発に用いられたものか、6000個の特殊磁石をどのように装置に組み込んで核開発に用いるのかの説明が無い。被爆国日本の企業が、パキスタンの核開発に協力したと言う結論へ飛躍している。

 材料研究に際し、電子顕微鏡やX線回折装置は必須の汎用機材である。その分野を担当する大学や企業の研究部門では、それが無ければ仕事にならぬ。核開発に必要な遠心分離機の材料分析にも使われることもあるだろう。だが、それらの研究機材を輸出したからと言って、核開発に協力した事になるのだろうか。

 大型トラックを輸出し、それが改装されて、核爆弾を積載・運搬に使われたとする。その場合、輸出トラックメーカーは核開発に協力したと言うだろうか。共同通信記者に、是非ご教示願いたいものである。


日本企業、核開発用資機材をパキスタンに輸出
2009.2.15 18:48

 1970年代以降、パキスタンの核兵器計画を主導した「核開発の父」カーン博士に、特殊磁石など核開発に必要な資機材が複数の日本企業から大量に輸出されていたことが15日、博士の証言で分かった。取引に携わった日本側関係者も、80年代に少なくとも6000個の特殊磁石を輸出したと明言。唯一の被爆国、日本の一流メーカーが、パキスタンの核開発に結果的に協力し、資機材供給体制に組み込まれていた実態が初めて判明した。

 博士らによると、博士側との取引窓口となったのは東京の中堅商社ウェスターン・トレーディング(WT社、2004年に破産)。 博士はまた、日本電子(東京)の電子顕微鏡を輸入したと言及。日本電子関係者も、電子顕微鏡2台とエックス線解析装置を博士側に納入したと認め、遠心分離機素材の組成分析に使われた可能性が高いと語った。(共同)
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