陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

日本人の国防意識

2010-10-01 00:31:37 | 国防関連
 竹島問題を冷ややかに眺めていた我が国民も、尖閣諸島領海侵犯ではヒートアップした。余りにも稚拙で、責任逃れをする菅・仙谷政権に屈辱感を味わわされたためだろうか?

 押し付けられた日本国憲法を金科玉条とし、平和ボケに陥った我が国民は、将に茹で蛙状態にあったのだが、尖閣問題で周囲は熱く危険と感じ始めた(ように見える)。この問題に関する国会論戦が熾烈になり、太々(ふてぶて)しい菅・仙谷政権が追い詰められると、国民の安全保障に関する意識は益々高まると期待する。衆議院解散・総選挙は、予算成立の来年3月までは行われないだろうが、尖閣問題で民主党はボロボロになるかも知れぬ。

 <駝鳥の平和>に安住して来た日本国民、その国防意識を政府が継続調査したデータがある。「もし日本が外国から侵略されたら、どうしますか」との設問に対し、「何らかの方法で自衛隊を支援する」と言う回答が平成改元(1989)以降少しずつ増えた。現在は、約半数の国民がそのように回答している。これは、恐らく世の中を動かす人々が戦後世代に代って行った反映と見る。

 2年後に行われるこの調査、民主党政権の亡国的振る舞いを批判して、6割位が自衛隊支援を回答するようになれば、憲法改正の機運が自ずと湧いて来ると想像する。それに至るまで、我が国は周辺諸国から痛めつけられ、屈辱を重ねることだろう。


2010年09月27日
もし日本が外国から侵略されたら、どうしますか

 尖閣列島の一連の問題について、メディアがこぞって「民主党政権は弱腰だ」という批判を繰り返している。こういう外交が繰り返される中で、日本の国民が失っていくものがある。それは、領土問題という枠を越えた「国益の損失」があるような気がする。

 ここに興味深いデータがあるので、ご覧いただきたい。内閣府大臣官房政府広報室が出している「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」である。全国の20歳以上3000人を対象とした調査で、有効回答が1781人もいるので、その数字の確度は高い。

 その中で、最も気になるのが「外国から侵略された場合の態度」という項目である。平成21年(2009年)の結果では、もし日本が外国から侵略された場合、どうするか聞いたところ「何らかの方法で自衛隊を支援する(自衛隊に志願しないものの、あらゆる手段で自衛隊の行う 作戦等を支援する)」と答えた者の割合が49.6%。

 次いで「武力によらない抵抗をする(侵略した外国に対して不服従の態度を取り、協力しない)」と答えた者の割合が23.0%。「一切抵抗しない(侵略した外国の指示に服従し、協力する)」と答えた者の割合が8.1%。「自衛隊に参加して戦う(自衛隊に志願して、自衛官となって戦う)」と答えた者の割合が6.2%。「ゲリラ的な抵抗をする(自衛隊には志願・支援しないものの、武力を用いた行動をする)」と答え た者の割合が1.9%。一方「分からない」と答えた者の割合が10.1%となっている。

 その解答の昭和53年度からの推移を表したのがこのグラフである。

 平成3年(1991年)は、湾岸戦争の影響を受けた数字なので特殊な傾向を示しているが、「何らかの方法で自衛隊を支援する」「武力によらない抵抗をする」の数字が、右肩上がりであるのが一目で分かる。

 その一方で顕著に減っている数字がある(自衛隊・防衛問題に関する世論調査)。「分からない」とする回答率である。昭和53年度には、全体の26.6%もあったものが、平成21年度には、10.1%に減った。

 「分からない」層は、そのほとんどが、有事の時に、何らかの支援や抵抗をする側になっているわけである。

 日本国民に、外国からの侵略や有事の心構えが少しずつ形成されているこがこのグラフをみたら分かる。頼りない「外交」のニュースを耳にするたびに、日本国民は、少しずつ腹を決め始めてきているということなのだ。

 しかし、これは危険なことではないだろうか。外国から侵略されたらどうするかという問いに、何らかの抵抗をするという単純な答えをするのではなく、「分からない」と答える国民がたくさんいることが日本という国の特徴であり、魅力であると考える。言い換えると「弱さの力」みたいなものを哲学し、逡巡している姿こそが日本そのものではないだろうか。そんな日本の精神的土壌を失うことが、一番の国益の損失である。

 だからこそ、日本の政治が実行する「外交」は、強くなくてはいけないのだ。「外交」自体が弱腰になると、国民自体が「弱さの力」を捨てて、武力で強くならなくてはいけないと考える。国民に有事の腹を決めさせるような「外交」を続ける政治は、間違っている。

 領土は国家の礎で、その領土の上に暮らす国民の思考の量が国家の発展を促す。「目には目を、歯には歯を」と国民に言わせないための強い政治が動かなければ、日本は「分からない」と言えない、分かりやすい国になってしまう。それって、大国の思う壺じゃないだろうか。【中村修治,INSIGHT NOW!】
http://money.jp.msn.com/newsarticle.aspx?ac=IT20100927021&cc=07&nt=25
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