4月17日に上智大学名誉教授の渡部昇一氏が逝去された。以前から体調が思わしくない話は側聞していたが、86歳で我が国の在り方に後ろ髪を引かれるような思いを残されつつこの世を去られた。改めて、心から渡部昇一教授のご冥福をお祈りいたします。
渡部教授の御専門は、英文学、英語学と承知しているが、歴史評論、時事問題においても論陣を張ってご活躍された。雑誌「諸君!」で、立花隆氏と激しく論争し、ロッキード裁判で田中角栄元首相を擁護しておられたのを懐かしく想い出す。
日本国憲法に関しては、廃憲論をを強く主張された。一度、大日本帝国憲法に戻し、それを時代に合うよう改訂すべしとの考え方である。また、8万冊以上に及ぶ蔵書をお持ちで、その該博な知識でよく知られている。80歳を過ぎて、我が国の近代史に重点を置いた「日本の歴史」(全6巻、別巻1)をWAC社から出版されたが、日本人への遺書のような形になってしまった。
本年(2017)3月31日に、産経新聞の宮本唯史氏と対談されたのが最後のTV出演になった。渡部教授の国境に関する熱意が良く伝わる内容である。痛々しい姿なのだが、同教授の祖国愛がにじみ出ている。合掌
【大道無門】渡部昇一氏 最後のご出演~宮本雅史氏と「国境」を語る[桜H29/5/5]
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