福島第一原発事故で懸念された猛毒元素プルトニウムの拡散であるが、今回始めて80km圏における100ヶ所の土壌濃度が文科省より発表された。プルトニウム238、239、240いずれも平方米当たり4~15 Bq と少ない。
第一原発3号機では、プルトニウムを含んだMOX燃料を用いていたので、特に気になる面があった。だが、結果は1980年代までの大気圏内核実験時に検出されたレベルである。
一方、ストロンチウム90は、かなり高い濃度の地域があった。これは、測定メッシュをもっと小さくして、分布状態を精密化する必要がある。ストロンチウムは、人体に取り込まれ易い。
それにしても、もっと早くこうした測定結果を公表出来ないものだろうか。
福島第1原発:45キロ離れた飯舘でプルトニウム検出
文部科学省は30日、東京電力福島第1原発から約45キロ離れた福島県飯舘村を含む同県内6カ所の土壌から、同原発事故で放出されたとみられる毒性の強い放射性物質のプルトニウムが検出されたと発表した。事故後、同原発の敷地外でプルトニウムが検出されたのは国の調査では初めて。また、原発80キロ圏内の広い範囲で放射性物質のストロンチウムも検出され、事故の影響が広範囲に及んでいることが改めて裏付けられた。
◇広域飛散裏付け
調査は6~7月、原発80キロ圏内の100カ所の土壌で実施。同村と双葉町、浪江町の計6地点から今回の事故の影響とみられるプルトニウム238が検出された。
分析によると、過去に繰り返された大気圏核実験によって日本に降ったと確認されたプルトニウムの最大値を下回った。検出された最大濃度は、プルトニウム238が土壌1平方メートルあたり4ベクレル(浪江町)、239と240の合計で同15ベクレル(南相馬市)だった。文科省は「人体に影響を及ぼす値ではない」としている。
また、多くの地点でプルトニウム239、240も検出されたが、事故の影響か原因は特定できないという。
◇ストロンチウムを白河などで検出
一方、ストロンチウム89は約79キロ離れた同県白河市など半数近い地点で検出。半減期が約50日と短いことからいずれも事故による影響と分析した。最大濃度は同2万2000ベクレル(浪江町)。文科省は事故で放出された放射性セシウムとの分布の違いに注目し、ストロンチウムは骨に沈着しやすい特徴があることから追加調査をする方針。
松本純一・東電原子力・立地本部長代理は30日の会見で、「事故前に比べて(プルトニウムの濃度が一部地域で)上昇しているため、事故の影響があると思われる」と話す。【八田浩輔、河内敏康】
毎日新聞 2011年9月30日 21時32分
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111001k0000m040094000c.html
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