陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

岩手北部沿岸地震(7/24)から学ぶこと

2008-07-25 06:55:46 | Weblog
 また東北地域で大きな地震があった。7月24日午前零時26分に、岩手県沿岸北部をM=6.8の地震が起き、洋野町では震度6強を記録した。40日前の6月14日には、<岩手・宮城内陸地震>(M=6.9)と大きな地震が続けて東北地域を襲っている。

 今回、地震で亡くなった方はいないのが不幸中の幸いであった。しかし、重傷者28人を含む負傷者数は126人に達している。家屋被害は少ないと言うが、震源地は、むつ小川原核燃料サイクル施設に近いから、その施設損傷も気になるところだ。家屋被害に関し、次のような産経記事がある。

【東北地震】震度6強、なのに被害が少なかった理由は?
2008.7.24 19:33

 最大震度6強、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・8。24日未明に発生した岩手県沿岸北部の地震は、広範囲で強い揺れが観測されたが、全半壊などの家屋の大きな被害は確認されなかった。

 筑波大の八木勇治准教授の解析によると、地震エネルギーを示すモーメントマグニチュード(Mw)は阪神大震災(平成7年)と同じ6・9。阪神では6400人以上の犠牲者の約8割は倒壊した家屋や家具の下敷きになった。この違いは、地震波の特性によるものだという。

 東大総合防災情報研究センターの古村孝志教授によると、一般に周期の短い地震波は小さな構造物を激しく揺らし、周期が長い地震波は大きな構造物をゆっくりと揺さぶる。阪神大震災では、木造家屋などの被害に強く影響する周期1~2秒の地震波(キラーパルス)が強かった。

 今回は、周期が0・1~0・2秒の短周期地震動が強く、キラーパルスがほとんど含まれていないことが、古村教授らの解析で分かった。プレート(岩板)の内部で起きる地震は、短周期の地震波が強く出るという。メカニズムは異なるが、6月14日の岩手・宮城内陸地震も、キラーパルスは弱かった。

 一方、岩手県洋野町や青森県八戸市の人たちは、被害が軽微だった背景に、耐震性の高い住宅が多かったことや、防災意識の高さがあるという。

 「古い家は自分たちで山の木を切り出して建てたものが多い。都市部で建てる普通の家の3~4倍の太さの柱やはりを使っている」と、洋野町種市の測量設計事務所社長、酒井義隆社長(51)。別の建築士は「古い大工は柱と土台、金属の留め具を使わずに柱と梁(はり)を組む。異物を使わない分、揺れを吸収しやすいのではないか」と分析した。

 八戸市の無職女性(70)は「戸棚は引き戸のものを選び、茶碗(ちやわん)などが飛び出さないようにしている。ここは地震が多いから、古い人はみんな防災意識が高い」と話した。

 同市周辺は平成6年12月の「三陸はるか沖地震」をはじめ、多くの震災を経験してきた。青森県が昨年度から行っている耐震診断員の派遣事業で、八戸は真っ先に参加を訴えた自治体のひとつ。同市建築指導課の大原満課長は「住民も市も震災対策に対する意識は高い」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/080724/dst0807241933038-n1.htm


 この地方は、瓦屋根が少ないのも建物損壊が少ない理由の一つであると思う。柱や梁を太くし、建材を上手に選べば家屋耐震性は向上すると言うことだろう。また、住民の防災意識向上は、何にも増して重要だ。
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