Jinさんから頂いた本、Sidney Sheldonの「空が落ちる」(訳:天馬龍行)上下二巻を一気に読んだ。人気女性TVキャスター、ダナ・エバンスが巧妙に仕組まれた悪徳政界実力者の犯罪を追って、自分の身の危険を顧みず追い詰めてゆく、冒険・サスペンス小説。一旦読み始めたら面白くて止められず、4日で上下2冊読み終えた^^!
翻訳文の日本語もごく自然で違和感がなくとても読みやすかった。
これは小説だけれど、これに似たようなことは現実の日本にも存在するような気がする。表の顔は温厚で他人に優しく皆の信頼と尊敬を受けている人間が、その裏で実は底知れぬワルで狡賢く金儲けのためなら何でもやってしまう。その種の人間にとって、「倫理」とか「人徳」などは表向きだけのことであって、根本は私利・私欲の塊なのである。
この小説ではロシアで秘密裏につくり続けられている核燃料・プルトニウムを横流しして第三国へ売りさばき、巨利を貪るのは米国の上院議員という設定であるが、現実の日本では昔列島改造計画で潤った建設業界とか原発推進計画に乗って巨利を稼ぐ重電メーカーと電力会社、そしてそれらの利権に群がる議員や役人(現在)といったところだろうか。
国家予算つまり国民の血税をつぎ込む大プロジェクトなのに業者・企業は暴利を貪り、政治屋・官僚は裏金を毟り取ろうとする。国民の利益とか安全という視点は表向のリップサービスだけであって、裏では自分たちの利益のためには税金を無駄使いし、国民をナイガシロにして一向に憚らない。
小説では悪者が最期に死んで一件落着だけれど、現実社会ではまだまだ悪者はしつこく生き続けている。世に盗人の種は尽きまじ・・・か!
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追えば追うほど疑惑は深まるけれど、一向に証拠がでてこない・・・というところにこの題名が生きてくると思いました。
軽いけれど、面白かったです。
S.シェルダンだったんだ。
読書ノート(2月7日)をみて思い出しました。
片腕をなくしたケマルを養子にするんだよね。
ついでながら、どうしてこうゆうタイトルなのだろう?昔、中国で空が落ちたらどうしようなどと、要らぬ心配をする人の事をいう杞憂からきてるのかなあ?そんな落ちはなかった気がするが・・・