政治家(屋)との対比という意味での経済界、というか企業人の中には倫理観を
持って利益追及に努めている人が少なくないように思う。企業人であれば利益
を求めるのは極当然であるけれど、もの造りや商売の世界に於いても、「人に喜
んでもらうこと、世の中の為になること」をモットーとして仕事に打ち込んでいる人
がいて、お金はその結果として後からついてくるものだ、という風に考えている。
概してもの造りの企業で成功した創業者達にはクリーンなイメージがある。
実際に物を造り沢山売れるようになるまでには、他人には分らぬ苦労と血の滲
む努力、諦めない強固な意志力などの、表には現れない積み重ねがあるに違い
ない。つまり実体のある経済活動だから嘘がないのだと思う。株式の売買や不
動産投資など実体のないマネーゲームとはそこが違うのだ。自分では汗を流さ
ずアブク銭を稼いでいるマネーゲームの輩は、幾ら金を持っていようが人品卑し
い守銭奴にすぎない。
小泉内閣の時代、ブレーンと云われていた竹中平蔵は人材派遣業の規制を大
幅に緩め、現在のような格差社会への切欠をつくりそれに拍車をかけた。人材
の流動化とか働き方の幅を広げるなどと旨いことを云っていたが、その実体は
ピンハネ業界のテコ入れであり、いつの間にか彼がピンハネ業界の最大手パ
ソナの会長にちゃっかり収まっている。えげつなく自分のためだけの金儲けに
走る彼のような人間に、果たして大學教授の肩書は相応しいのだろうか・・・?
せめて教授の肩書があるなら、実体のないピンハネ業などではなく大学の先生
として世間から尊敬される働きをし、お金はその実績に応じて後からついてくる、
という風には考えなかったのだろうか。倫理観も何もなく、小賢しいだけの「金の
亡者」という訳か・・・
明治維新のころ政治家を志した人たちは確固とした理想を持ち、これからの日
本をどうすべきかということを真剣に考え、そのことに真実命をかけていたよう
に思える。
今の政治家は、国民には次々と増税を強いておきながら自分たちは議員歳費
を削ることにも定数削減にも一向に応じようとしない。議員を務めるということの
意義を全く自覚せず、金儲けのための一手段か一職業としか思っていない!
サラリーマンか何かと勘違いしてんじゃねえのか? ・・・ったくもう!