テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 絢爛たる《ブラウン管》の世界 ~

2013-04-09 21:39:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 けやきのォ、わかばがァ、まばゆいィ~♪」
「がるる!ぐるぐるがるるるぐるるる!」(←訳:虎です!あの緑はトトロの世界だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 スタジオジブリさんの作品に描かれているのは
 スクリーンの中の眩しい新緑ですが、
 本日の読書タイムで目にするのは……
 ブラウン管の中の世界!

「ぶッ、ぶらうんかんッ??」
「ぐぅ~るっ!」(←訳:古ぅ~いっ!)

 古くても、もはや死語?でも、
 この御本は、一見の価値あり!
 さあ、活字マニアさんも映像マニアさんも、こちらを、どうぞ~!

  



 
            ―― ザ・ベストテンの作り方 ――



 著者は三原康博さん、編者はテレビ美術研究会の皆さん、
 2012年12月に発行されました。
 『音楽を絵にする仕事』と副題が付されています。

 《ザ・ベストテン》。
 かつて、TBSで放送された音楽番組を御記憶の方々は、
 現在どれほどの人数になるのでしょう。
 1978年から1989年まで、
 603回に渡って放送されたといいますから――

「しょうわッ、でスねッ!」
「がるがるぐるるる!」(←訳:バリバリ昭和だよ!)

 そうね、平成生まれの方々は、記憶どころか、
 見たことも聞いたこともない筈ですね。
 4KTVも液晶画面もデジタル放送もスカイツリーもなかったけれど、
 テレビ放送にたずさわる、
 テレビ番組の制作をするということが、
 途方もなく魅力的であった時代……。

 《ザ・ベストテン》は
 様々な意味合いで画期的なTV番組でした。
 得点形式で、
 10位~1位を紹介し、
 ランクインした人気歌手さんがおもむろに扉から登場、
 司会の黒柳徹子さん久米宏さんとトークをして、
 さあ、どうぞ!で歌を披露します。

「いまどきならァ、ふつうゥ、だけどォ!」
「ぐるぐるる!」(←訳:当時は斬新!)

 日本のTV業界が
 常にお手本としてきたアメリカのTV番組ではなく、
 オリジナリティ豊かな構成。

 《ザ・ベストテン》は大成功を収めます。
 最高視聴率は41.9%(1981年9月17日記録)!

 その成功の要因のひとつは、
 テレビ美術のすばらしさだったのですね。

「びじゅつッてェ~??」
「ぐるるる??」(←訳:背景とか??)

 ええ、いわゆる《セット》というモノです。

 《ゼ・ベストテン》の美術は、
 まさに、モノ。

   曲ごとにセットがすべて違う。

   使いまわしは、しない。

   毎回、新しいセットを作る。

「それはァ、たいへんッ!」
「がるぅ~!」(←訳:贅沢ぅ~!)

 著者の三原さんは、
 東京放送(現・TBS)に美術デザイナーとして新卒入社、
 《ザ・ベストテン》を初回から10年間担当なさった生粋のテレビマンさんです。

 作り手であった三原さん御自身が、
 これは名作!これは自信作!と
 胸を張って紹介し、解説するのは、
 日本のTV史上に刻まれる美しきセットたち。

 『異邦人』
 『飛んでイスタンブール』
 『星空のディスタンス』
 『ダーリング』のセットは、ことに見事です!

「たッたいちどのォ、ためにィ!」
「ぐるるがっるぅる!」(←訳:これを造っちゃう!)

 当時を振り返る三原さんの御話も掲載されていますので、
 昭和マニアさんは必読の力作です。
 活字マニアさん、
 特に景山民夫さん著《トラブルバスター》シリーズの愛読者さんには
 楽しく、また懐かしさも感じさせてくれる一冊ですよ♪
 ぜひ一読を~!

「しょうわッてェ~」
「がるがるるる!」(←訳:なんだか豪華!)
「だよねッ!」


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