テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

顔、100%!

2019-06-09 23:16:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんかいィもォ、ひゃくぱァーせんとォ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!原寸大だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、湿度100%の梅雨真っ只中ですが、
 本日の読書タイムは、
 100%視界良好!なこちらのアートブックを、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
    ―― クリムト原寸大美術館 100%KLIMT! ――



 監修は千足伸行(せんぞく・のぶゆき)さん、
 著者は新藤淳(しんふじ・あつし)さん、菅谷淳夫(すがや・あつお)さん、
 2019年4月に発行されました。
 クリムト展の開催を待っていたかのように、
 《100%!》シリーズから新たに刊行されたのは――

「くりむとォおじさんのォ~!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:原寸図版画集!)

 伊藤若冲さん、
 ゴッホさん、
 フェルメールさんの《100%!》に
 多くのアート好きさんが大喜びしたこのシリーズ、
 もちろん私ネーさも、

  おお!
  超至近距離で『天文学者』を見たら
  こんな感じなのね!
  布地の絵柄はこうなってるのね!

 と感激いたしましたが、
 このクリムトさん版《100%!》も
 実に見応えがあります♪
 なぜなら――

「かおッ!」
「がるるぐっるる!」(←訳:睫毛もばっちり!)

 “黄金の画家”と評される
 グスタフ・クリムトさん(1862~1918)。

 ですが、クリムトさんは
 “肖像画家”さんでもあります。

 原寸大で印刷された
 モデルとなった女性たちの顔を
 じ~っと見詰めて、観察して、思うことは。

 巧い……!

 クリムトさんの、なんたる技術の高さ。
 卓越したデッサン力。
 大胆な構図の中に置かれた顔の、
 有無を言わせない求心力。

 しかも、写真の撮り方がまた見事で、
 筆(ブラシ)の痕跡、
 絵の具の盛り上がり具合、
 キャンバス地の肌理(きめ)の線などが、
 よくもここまで!と唸ってしまうほど
 はっきり分かるんです。

「しゃしんかァさんにィ、はくしゅゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:感謝です!)

 御本の後半部は、
 やや趣きが異なって、
 肖像画や
 人物像を描き込んだ作品を中心とする前半部とは対照的に
 風景画が取り上げられています。

 オーストリア中央部にある景勝地、
 ザルツカンマーグート地方の豊かな自然――
 アッター湖の揺れる水面、
 ゴッホさんのそれとはまた異なるヒマワリたち、
 白樺林の枝越しの光……
 無造作のようでいて無造作ではない、
 練達の創造力!

「ほんものォ、みてみたいィでス!」
「がるる!」(←訳:肉眼で!)

 収録されている作品は、
 展覧会に出展されるために来日している作品もあれば、
 日本の美術館に収蔵されているもの、
 今回は来日していない作品、
 とさまざまです。

 展覧会へ行った御方も、
 これから行く予定の方々も、
 行けそうにないかも~…という方々も、
 まずはこの御本を覗いて
 クリムトさんの“筆致”を実感してみてくださいね。
 肖像画好きな方々には特におすすめですので、
 ぜひ、一読を!
 
 
 
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