テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《王》を掘り起こせ ~

2024-07-03 22:39:35 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しんさつゥ、まァ~だかなッ♫」

「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!早く見たいね~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日7月3日から発行される新札を私たちが手に出来るのは、

 早くて明日4日で、5日以降の流通量はいっそう増えるようですね。

 初遭遇!の日を待ちながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― ティラノサウルスを発見した男 バーナム・ブラウン ――

 

 

 著者はローウェル・ディンガスさん+マーク・A・ノレルさん、

 原著は2010年に、画像の日本語版は2024年4月に発行されました。

 英語原題は『BARNUM BROWN : The Man Who Discovered Tyrannosaurus Rex』、

 ”恐竜の王”ティラノサウルスを発見した人物として知られる

 バーナム・ブラウンさんの生涯を描いた伝記作品です。

 

「おおゥ! はッけんしゃさんッ!」

「ぐるるるがる?」(←訳:どんな人なの?)

 

 バーナム・ブラウンさんは、

 1873年2月12日、

 米国カンザス州のカーボンデールに生まれました。

 

 生地がカンザス、と聞いて、

 なるほどね!

 と頷く地理マニアさんもおられるかもしれませんね。

 カンザス州って、場所によっては

 化石がザクザク出てくる地域があって。

 ちょうどその、掘ればザクザク地域に、

 ブラウンさんのお家があって。

 

「うわわァ!」

「がるるぐるる……!」(←訳:なんか羨しい……!)

 

 お父さんの農場で、

 牛を使って地面を耕した跡を調べてみれば、

 貝など無脊椎動物の化石が幾つも出土する、という環境で

 ブラウンさん、わずか5歳にして

 化石コレクターデビューを果たしたのでした。

 

 その上、お父さんお母さんは

 なんて汚らしい!役にも立たない物を!などと怒ったりせず、

 むしろ、ブラウンさんの背を押したのです。

 

 なぜ、海もないカンザス州の辺境に

 石化した貝が見つかる?

 その謎を解くのはおまえだよ、

 と言わんばかりに。

 

「ふわあァ~…すごいィでスゥ!」

「ぐるるがっるるる……!」(←訳:理解者だったんだ……!)

 

 学校もない辺境の土地から苦労して、

 ブラウンさんが高校へ、大学へと進学していったその頃は、

 空前の”化石発見ラッシュ”時代と重なっていました。

 

 有名な博物館や大学、大富豪が組織する発掘隊が、

 アメリカ大陸で、欧州で、中央アジアで、

 新種発見!を争っていたのです。

 

 ブラウンさんは、

 気鋭の科学者ヘンリー・オズボーンさんの指導を受けつつ、

 サウスダコタ州、ワイオミング州、

 ニューメキシコ州、南米のパタゴニア等、

 多くの発掘現場で化石を採取して後、

 1902年のこと。

 

 モンタナ州のヘルクリークで発見したのは、

 巨大な肉食恐竜の化石……?

 

「ついにィ、きたでスッ!」

「がぅるるる!」(←訳:ティラノだ!)

 

 いえ、あのね、発掘した化石がどんなものなのか、

 明らかになるまではそこそこ時間がかかるんです。

 

 ヘルクリークで発見された化石が、

 当時アメリカ自然史博物館に所属していたオズボーンさんによって

 『ティラノザウルス レックス』

 と命名されたのは、

 1905年になってから。

 

 けれど、

 1902年の9月5日の時点で、

 ブラウンさんは、こう書き記しています。

 

 《学術的に重要な、

  今シーズン最大の発見であることは

  間違いありません》

 

「こんしィ―ずんッ?」

「ぐるるっるがっる!」(←訳:今世紀って言って!)

 

 ついに辿り着いた到達点……って、

 いえいえ、そうじゃなくて。

 

 ティラノサウルスの発見は、

 通過点のひとつに過ぎないんです。

 ブラウンさん、

 1963年に90歳の誕生日を目前にして旅立つまで、

 ”ティラノサウルス発見者”以上の

 あれやこれやをやり切って、

 人生を謳歌し尽くしたというか、

 読んでいてもうビックリというか……

 

「でんせつゥをォ、こえてまスねッ!」

「がるるるるるぐるるるるー!」(←訳:伝説以上の化石ハンター!)

 

 ラテン語で『王』を意味する『レックス』。

 もしも、化石ハンターの王というべき人物がいるとしたら、

 それは。

 

 著者のディンガスさんとノレルさんが

 完成までに10年の月日を費やしたという力作は、

 古生物学好き&近代史好きな方々に、

 ノンフィクション好きな方々にも

 激おすすめの一冊ですよ。

 夏の読書タイムに、ぜひ~♪

 

 

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