「こんにちわッ、テディちゃでス!
しんさつゥ、まァ~だかなッ♫」
「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!早く見たいね~!)
こんにちは、ネーさです。
今日7月3日から発行される新札を私たちが手に出来るのは、
早くて明日4日で、5日以降の流通量はいっそう増えるようですね。
初遭遇!の日を待ちながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ティラノサウルスを発見した男 バーナム・ブラウン ――
著者はローウェル・ディンガスさん+マーク・A・ノレルさん、
原著は2010年に、画像の日本語版は2024年4月に発行されました。
英語原題は『BARNUM BROWN : The Man Who Discovered Tyrannosaurus Rex』、
”恐竜の王”ティラノサウルスを発見した人物として知られる
バーナム・ブラウンさんの生涯を描いた伝記作品です。
「おおゥ! はッけんしゃさんッ!」
「ぐるるるがる?」(←訳:どんな人なの?)
バーナム・ブラウンさんは、
1873年2月12日、
米国カンザス州のカーボンデールに生まれました。
生地がカンザス、と聞いて、
なるほどね!
と頷く地理マニアさんもおられるかもしれませんね。
カンザス州って、場所によっては
化石がザクザク出てくる地域があって。
ちょうどその、掘ればザクザク地域に、
ブラウンさんのお家があって。
「うわわァ!」
「がるるぐるる……!」(←訳:なんか羨しい……!)
お父さんの農場で、
牛を使って地面を耕した跡を調べてみれば、
貝など無脊椎動物の化石が幾つも出土する、という環境で
ブラウンさん、わずか5歳にして
化石コレクターデビューを果たしたのでした。
その上、お父さんお母さんは
なんて汚らしい!役にも立たない物を!などと怒ったりせず、
むしろ、ブラウンさんの背を押したのです。
なぜ、海もないカンザス州の辺境に
石化した貝が見つかる?
その謎を解くのはおまえだよ、
と言わんばかりに。
「ふわあァ~…すごいィでスゥ!」
「ぐるるがっるるる……!」(←訳:理解者だったんだ……!)
学校もない辺境の土地から苦労して、
ブラウンさんが高校へ、大学へと進学していったその頃は、
空前の”化石発見ラッシュ”時代と重なっていました。
有名な博物館や大学、大富豪が組織する発掘隊が、
アメリカ大陸で、欧州で、中央アジアで、
新種発見!を争っていたのです。
ブラウンさんは、
気鋭の科学者ヘンリー・オズボーンさんの指導を受けつつ、
サウスダコタ州、ワイオミング州、
ニューメキシコ州、南米のパタゴニア等、
多くの発掘現場で化石を採取して後、
1902年のこと。
モンタナ州のヘルクリークで発見したのは、
巨大な肉食恐竜の化石……?
「ついにィ、きたでスッ!」
「がぅるるる!」(←訳:ティラノだ!)
いえ、あのね、発掘した化石がどんなものなのか、
明らかになるまではそこそこ時間がかかるんです。
ヘルクリークで発見された化石が、
当時アメリカ自然史博物館に所属していたオズボーンさんによって
『ティラノザウルス レックス』
と命名されたのは、
1905年になってから。
けれど、
1902年の9月5日の時点で、
ブラウンさんは、こう書き記しています。
《学術的に重要な、
今シーズン最大の発見であることは
間違いありません》
「こんしィ―ずんッ?」
「ぐるるっるがっる!」(←訳:今世紀って言って!)
ついに辿り着いた到達点……って、
いえいえ、そうじゃなくて。
ティラノサウルスの発見は、
通過点のひとつに過ぎないんです。
ブラウンさん、
1963年に90歳の誕生日を目前にして旅立つまで、
”ティラノサウルス発見者”以上の
あれやこれやをやり切って、
人生を謳歌し尽くしたというか、
読んでいてもうビックリというか……
「でんせつゥをォ、こえてまスねッ!」
「がるるるるるぐるるるるー!」(←訳:伝説以上の化石ハンター!)
ラテン語で『王』を意味する『レックス』。
もしも、化石ハンターの王というべき人物がいるとしたら、
それは。
著者のディンガスさんとノレルさんが
完成までに10年の月日を費やしたという力作は、
古生物学好き&近代史好きな方々に、
ノンフィクション好きな方々にも
激おすすめの一冊ですよ。
夏の読書タイムに、ぜひ~♪
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