テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 仕立屋さんの《目》が射抜く ~ 

2021-03-12 05:36:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きちょうなァはつこうかいィ~でス!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!長旅の痕跡あり!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日12日から、神奈川県の相模原市立博物館にて
 探査機『はやぶさ2』カプセルが
 初めて公開されました。
 3月27日~4月11日の期間は
 上野の国立科学博物館でも公開されますよ。
 長い旅を無事に終えたカプセルくんを労いつつ、
 さあ、ここからは読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



     ―― ヴィンテージガール ――



 著者は川瀬七緒(かわせ・ななお)さん、
 2021年2月に発行されました。
 『”vintage girl“ the dressmaker detective』と英語題名が、
 『仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』
 と日本語副題が付されています。

「ふむむッ? したてやァさんでェ、たんていィさんッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:珍しい兼業!?)

 いえいえ、兼業とは
 ちょっと違っていて。

 桐ヶ谷京介(きりがや・きょうすけ)さんは、
 東京の高円寺南商店街に
 小さなお店を構える仕立屋さんです。

 とはいえ、京介さん、
 ただの仕立屋さんではなく。

 特殊な技能を持っているんですね。

 服をひと目見ただけで、
 その服を着たひとが受けた傷や暴力、
 どんな病気を患っているか等が
 分かってしまう、んです。

「ひとめェでッ??」
「がるるぐるる!」(←訳:すごい推理力!)

 美術解剖学と服飾を深く学び、
 結果として
 そんな能力を得た京介さんですが、
 時には……苦痛も感じます。

 すれ違うひと、
 ふと視界に飛び込んできたひと。
 見も知らぬひとの衣服に
 暴力の痕跡を見て取ってしまったら、
 どうしたらいいのか……。

「えェ~とォ、うゥ~んとォ…?」
「ぐるるるる~…」(←訳:どうしよう~…)

 そして今まさに、
 京介さんは悩み、迷っています。

 偶然、目にしたTV番組。

 公開捜査、というんでしょうか、
 行方不明者についての情報を募ったり、
 事故や事件の目撃者を探したりする番組を、
 見たくもないのに
 見てしまったら。

 あるワンピースの映像が。

「あうううッ?」
「がるるぐる!」(←訳:なんかヘン!)

 奇抜な模様と、
 どぎつい色彩。
 全体に古めかしくて、
 オシャレとはとても言えないような
 ワンピースを着ていたのは……
 え?
 10歳かそこらの、女の子?

 おかしい、と京介さんは思います。
 これはどう見ても、
 女の子が好む“カワイイ“服じゃない、と。

 小さな違和感は、
 ほどなく、大きな疑問へ。

「ほッとけないィのでスゥ!」
「ぐるるるるぅ!」(←訳:調べなくちゃ!)

 孤独な仕立屋探偵さんは、
 ワンピースの持ち主の謎を
 解くことが出来るのか――

 いえ、実は京介さん、
 孤独ではないようです。
 サポートしてくれる素敵な脇役さんが
 あっちにもこっちにも!

「ならばァ、もうゥ!」
「がるるるぐる~!」(←訳:やるしかない~!)

 著者・川瀬さんの《賞金稼ぎスリーサム》シリーズ、
 《法医昆虫学》シリーズファンの方々に、
 ミステリ好きな活字マニアさんに、
 激おすすめの一冊です。
 週末の読書タイムに、
 皆さま、ぜひ~♪
 
 

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