テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 短編? いやコレって長編でしょ?な短編集 ~

2022-09-09 21:06:14 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ああァ、とうとうゥ……」

「がるる!ぐぅるるるがる……」(←訳:虎です!しょんぼりです……)

 

 こんにちは、ネーさです。

 英女王のさま訃報と、

 バッキンガム宮殿にかかる美しい虹の画像に

 しょんぼり……というか呆然としております。

 心からご冥福を祈りつつも、

 こんな時こそ読書タイムで気力をチャージすべく、

 さあ、本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~!

  

 

 

        ―― フルスロットル ――

 

 

 著者はジェフリー・ディーヴァーさん、

 原著は2014年に、

 画像の日本語版は2022年4月に発行されました。

 英語原題は『TROUBLE IN MIND』、

 6編の短編ミステリが収録されています。

 

 って、これ短編なのかしら?

 いえ、分量的には短編なのでしょうけれど……?

 

「おもいィッ!」

「ぐるるがるる~!」(←訳:重量感ずしん~!)

 

 表題作品『フルスロットル』は、

 米国西海岸のモントレー市近辺を舞台に、

 キャサリン・ダンス捜査官を主人公とする

 全編”フルスロットル!”な

 尋問&追跡劇。

 

 読後は、ふうぅ、疲労困憊だわ……

 殆ど中編に近い濃密度ですよ。

 

「こッちもォ、こゆいィ~!」

「がるる!」(←訳:濃過ぎ!)

 

 ダンス捜査官の作品に劣らず、

 否、それ以上に緻密な造りで

 私たち読み手をねじ伏せるのは、

 リンカーン・ライムさんが登場する

 『教科書どおりの犯罪』。

 

 現代の英米ミステリ界で

 最もよく知られる名探偵ライムさんを、

 どうにもこうにも手こずらせる

 知能犯が出現し、

 NY市警は大混乱に……!

 

「じゅうだいィじけんでス!」

「ぐるるがるるるる!」(←訳:なのに手掛かりが!)

 

 市警の警官さんたち、鑑識メンバー、

 そしてライムさん自身も、

 ”こんな現場は見たことがない”

 ”悪夢のようだ”

 と呆れ返ったのは、

 或る事件現場の汚染っぷり。

 

 どこもかしこも汚染されていて

 手掛かり(物証)を得られない、ということは、

 鑑識のスペシャリストたるライムさんにとって、

 出番なし、と宣告されたに等しい状況です。

 

 いくら調べても、探しても、

 犯人につながる物証はゼロ。

 ライムさんの同僚さんたちも、

 もうギブアップ寸前で。

 

「あきらめちゃッだめェでスよゥ~!」

「がるぐるるる……!」(←訳:次の犠牲者が……!)

 

 事件の拡大を防ぐ方法は、

 狡猾な犯人の裏をかく方策は、

 どこかに必ず、有るはず。

 

 起死回生&一発逆転を狙う

 ライムさんの戦略は、はたして……?

 

「ふううゥ! よみごたえェ、ありまスゥ!」

「ぐるがる!」(←訳:ほぼ長編!)

 

 短編? いえいえ、

 これって中編を超えて長編の内容でしょ!

 と言いたくなる『教科書どおりの犯罪』、

 ライムさんのファンの方々は

 存分に余韻を味わってくださいな。

 

 なお、

 この『フルスロットル』は

 《トラブル・イン・マインドⅠ》、

 5月に刊行された『死亡告示』が

 《トラブル・イン・マインドⅡ》となる

 上下巻構成を取っています。

 

「にさつともォ~おすすめェなのでス!」

「がっるるるぐる!」(←訳:ずっしり感2倍!)

 

 ディーヴァーさんの茶目っ気に笑ってしまう

 『フルスロットル』巻頭の

 著者まえがきは必読ですので、

 ミステリ好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、読み逃しなく~!

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする