「こんにちわッ、テディちゃでス!
ああァ、とうとうゥ……」
「がるる!ぐぅるるるがる……」(←訳:虎です!しょんぼりです……)
こんにちは、ネーさです。
英女王のさま訃報と、
バッキンガム宮殿にかかる美しい虹の画像に
しょんぼり……というか呆然としております。
心からご冥福を祈りつつも、
こんな時こそ読書タイムで気力をチャージすべく、
さあ、本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~!
―― フルスロットル ――
著者はジェフリー・ディーヴァーさん、
原著は2014年に、
画像の日本語版は2022年4月に発行されました。
英語原題は『TROUBLE IN MIND』、
6編の短編ミステリが収録されています。
って、これ短編なのかしら?
いえ、分量的には短編なのでしょうけれど……?
「おもいィッ!」
「ぐるるがるる~!」(←訳:重量感ずしん~!)
表題作品『フルスロットル』は、
米国西海岸のモントレー市近辺を舞台に、
キャサリン・ダンス捜査官を主人公とする
全編”フルスロットル!”な
尋問&追跡劇。
読後は、ふうぅ、疲労困憊だわ……
殆ど中編に近い濃密度ですよ。
「こッちもォ、こゆいィ~!」
「がるる!」(←訳:濃過ぎ!)
ダンス捜査官の作品に劣らず、
否、それ以上に緻密な造りで
私たち読み手をねじ伏せるのは、
リンカーン・ライムさんが登場する
『教科書どおりの犯罪』。
現代の英米ミステリ界で
最もよく知られる名探偵ライムさんを、
どうにもこうにも手こずらせる
知能犯が出現し、
NY市警は大混乱に……!
「じゅうだいィじけんでス!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:なのに手掛かりが!)
市警の警官さんたち、鑑識メンバー、
そしてライムさん自身も、
”こんな現場は見たことがない”
”悪夢のようだ”
と呆れ返ったのは、
或る事件現場の汚染っぷり。
どこもかしこも汚染されていて
手掛かり(物証)を得られない、ということは、
鑑識のスペシャリストたるライムさんにとって、
出番なし、と宣告されたに等しい状況です。
いくら調べても、探しても、
犯人につながる物証はゼロ。
ライムさんの同僚さんたちも、
もうギブアップ寸前で。
「あきらめちゃッだめェでスよゥ~!」
「がるぐるるる……!」(←訳:次の犠牲者が……!)
事件の拡大を防ぐ方法は、
狡猾な犯人の裏をかく方策は、
どこかに必ず、有るはず。
起死回生&一発逆転を狙う
ライムさんの戦略は、はたして……?
「ふううゥ! よみごたえェ、ありまスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:ほぼ長編!)
短編? いえいえ、
これって中編を超えて長編の内容でしょ!
と言いたくなる『教科書どおりの犯罪』、
ライムさんのファンの方々は
存分に余韻を味わってくださいな。
なお、
この『フルスロットル』は
《トラブル・イン・マインドⅠ》、
5月に刊行された『死亡告示』が
《トラブル・イン・マインドⅡ》となる
上下巻構成を取っています。
「にさつともォ~おすすめェなのでス!」
「がっるるるぐる!」(←訳:ずっしり感2倍!)
ディーヴァーさんの茶目っ気に笑ってしまう
『フルスロットル』巻頭の
著者まえがきは必読ですので、
ミステリ好きな活字マニアさんは、
ぜひ、読み逃しなく~!