テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

永遠の、脳ライフ?

2018-07-01 22:19:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゃくねつのォ、しちがつゥ??」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!下半期突入~!)

 こんにちは、ネーさです。
 2018年もあっ!という間に半分が過ぎて、
 7月最初の読書タイムとなった今日は、
 イキのいいSF作品から始めてみますよ♫
 さあ、こちらを、どうぞ~!
 
  



        ―― われらはレギオン 1 ――



 著者はデニス・E・テイラーさん、
 原著は2016年に、日本語版は2018年4月に発行されました。
 英語原題は『WE ARE LEGION(WE ARE BOB)』、
 『AI探査機集合体』と日本語副題が付されています。

「えーあいィ??」
「ぐるがる?」(←訳:人工知能?)

 主人公のボブさんは、

 “殆どの人が人工知能と呼ぶだろう存在”

 です、が、厳密に言えば、

 “心のコピー”なのだそうです。

「こころをォ、こぴィーできるのォ?」
「がるるるぐる!」(←訳:ますます混乱!)

 ボブさん、
 最初から人工知能もどきだった訳ではないんですよ。

 2016年、
 ボブことロバート・ジョハンスンさんは、
 SF大会が開催されているラスベガスに滞在していました。
 友人たちとディナーに行こうと、
 ホテルから外へ出て、
 横断歩道を渡り出した、その時。

 クラクションが。
 叫び声が。
 想像を絶する痛みが。

「ぼぶさんッ!」
「ぐるがるるるるる!」(←訳:誰か助けてあげて!)

 そうして、次に、
 ボブさんが意識を取り戻したのは。

 2133年6月。

「ふァ?」
「がるぅ?」

 117年の歳月を超え、
 ボブさんは甦りました。

 ただし、人間としてではなく、
 “人工知能と呼ぶだろう存在”にカタチを変えて。

 ヒトの肉体はもうない。
 いや、脳さえも、もうない。
 
 冷凍保存された脳をスキャンし、
 そのデータをコンピュータ・シミュレーションに変換した、
 コンピュータ・プログラム。

 それが、ボブさん。

「ほわわゥ! だいへんしんッ、なのでスゥ!」
「ぐるがるるるぅ?」(←訳:変身なのかなぁ?)

 古来、人類は夢を見てきました。
 頭脳はそのままに、
 鋼鉄のように朽ちない、
 年月にも毒されない、
 不死身の身体を得られないものかと。

 SFの世界でもね、
 脳だけで生きてゆきた~い!っていうのは
 大きなテーマになっていたんですけれど、
 最新の研究では、脳だけ、ってダメらしいと
 判明したんだそうです。

 脳が機能するのは、
 血液の循環や四肢の感覚など、
 さまざまな要素、反応が
 複雑に作用しあっているからこそ。

 空間にポツンと脳がある、というような状態では
 脳は脳でなくなる――
 つまり、
 脳だけで生きてゆくことは出来ない……。

 って思われていたのに?

「ぼぶさんのォやりかたならッ?」
「がるるぐるがる?」(←訳:脳だけ人生アリ?)

 22世紀に目覚めたボブさん。
 彼を待っていたのはバラ色の脳ラだけイフなのでしょうか?
 それとも……?

 三部作の第一作目となるこの物語、
 がっちり理系なSFが好きな御方に、
 スペースオペラ系SFが好きな御方にもおすすめです。
 ボブさんの脳だけライフを、
 ぜひ、一読してみてくださいね♪
 

 
コメント
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