テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

地獄のように熱く?

2018-04-16 22:17:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 じごくのォようにィ~あつくゥ!」
「がるる!ぐるるがるるぐる!」(←訳:虎です!天使のように純粋!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、タレーランさんの有名な言葉、
 『地獄のように熱く悪魔のように黒い、
 そして天使のように純粋で
 愛のように甘い』――
 といえば、あの飲み物ですね。
 本日の読書タイムは、
 多くの活字マニアさんもきっと大好物な、
 あの飲み物をテーマにしたこちらのノンフィクション作品を、
 さあ、どうぞ~♫

  



        ―― パリとカフェの歴史 ――



 著者はジェラール・ルタイユールさん、
 原著は2011年に、日本語版は2018年2月に発行されました。
 仏語原題は『HISTOIRE INSOLITE DES CAFE PARISIENS』、
 そう、あの飲み物とは、
 キャフェ、すなわちコーヒーですね♪

「みるくゥ、たッぷりィでッ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:シナモンをひとふり!)

 いまや日本全国津々浦々、
 コーヒーショップのない町の方を探す方が難しい、
 と言えるほどに、
 私たちの生活に欠かせないものとなった飲料、
 コーヒーは、どこから来たのか。

 これは、歌にもなっている通り――

「♪るるゥ~♪むかしむかしィ~♪」
「がるるるぐるるる~♪」(←訳:アラブの王さまが~♪)

 フランスでコーヒーについての最初の記録があるのは、
 1643年に遡る、と
 著者ルタイユールさんは御本の本文中で述べています。

 ただし、この試みは、
 見事に失敗してしまいます。

「ほわッ??」
「ぐる?」(←訳:失敗?)

 1643年、レヴァント(現在の中近東辺り)出身の男性が、
 パリの一画でコーヒー豆を売り出しにかかったものの、
 結果は、破産。

 他にも、コーヒーを売ってパリで一旗揚げよう!と
 企画した商人さんが、いなかった訳ではないんですが。

 この時まだ、
 歴史は、コーヒー豆の普及に
 “待った”をかけていたのです。

「れきしィがッ??」
「がるるぐるるるるがるる?」(←訳:歴史に意志なんてあるの?)

 あるのです、この場合は。

 当時のフランスに於いて、
 “意志ある歴史”の立場にあったのは。

 ルイ十四世。

「あはァ! おうさまッ!」
「ぐるる~!」(←訳:太陽王~!)

 フランス国王ルイ14世(1643~1715)。

 欧州史に、いえ、世界史上でも名高いこの王様は、
 なんと、
 コーヒー好きではありませんでした。

 むしろ、
 コーヒー大嫌い!派だったというのですから驚きです。

 憩いのための城として愛したマルリー城に招く客人に
 コーヒーを出すことさえ拒絶した、のだそうです。

「ふわァ~…それはァ~…」
「がるるぐーるーるるる!」(←訳:本物のコーヒー嫌いだ!)

 王様はコーヒー嫌い。

 ただ、そうだとしても、
 王様の周辺の人たち、一般市民さんたちの全員までもが
 コーヒー嫌いだとは限りませんよね。

 太陽王治世の晩年、
 ようやくコーヒーは社会に受け入れられ、
 《カフェ》がパリの町のあちこちに生まれていました。

 そうして、王様が世を去ってのちは、
 まさに花が咲くように、
 街角を《カフェ》が彩ります♪

「ぱりのォまちがァ~!」
「ぐるがるるぐっるるる!」(←訳:パリらしくなってきた!)

 古代のパリから、
 中世、近世、近代、そして現代のパリ。

 《カフェ》とは、パリにとってどんな存在であったか。
 《カフェ》がパリに何をもたらしたか。

 太陽王没後の《カフェ》興亡史は、
 アート好きさん、文学好きさん、
 歴史好きさんのハートをも
 ぐいっと掴むに違いありません。

「るのわーるさんッ!」
「がるるるるぅるぐる!」(←訳:ヘミングウェイさん!)
「せるじゅ・げんずぶーるゥさんッ!」
「ぐるるがるぅぐる!」(←訳:みんなカフェ好き!)

 コーヒー派の方々も
 お茶派の方々も、
 飲みもの片手に、ぜひ、一読を♪ 
 
 
コメント
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