テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 窓辺の星 ―

2018-04-02 22:09:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃわわァ? ちゅーりっぷのォ、あらしィ~!」
「がるる!ぐるがるぐるる!」(←訳:虎です!色も形も多彩!)

 こんにちは、ネーさです。
 サクラを気にして目線を上にばかり向けていましたが、
 あらら~道路際の花壇ではチューリップが元気に咲いています。
 赤が目立つなぁ~ピンクと白も可愛いなぁ~と
 ほっこりな心地にさせられながら、
 はい、今日もそろそろ読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



       ―― 思えば、孤独は美しい。 ――



 著者は糸井重里(いとい・しげさと)さん、2017年12月に発行されました。
 『Lonely is beautiful.』と英語題名が付されているこの御本は、
 う~む、何と言ったらいいんでしょう?
 エッセイ集? 詩集?

「おしゃしんもォ、のッてまスゥ!」
「ぐるるるがる?」(←訳:イラストもね!)

 著者・糸井さんが
 『ほぼ日刊イトイ新聞』上に毎日発表している
 “エッセイのような”文章、
 『今日のダーリン』を中心にセレクトして
 一年に一冊ずつ、
 本にしている《小さいことば》シリーズ。

 この御本は《小さいことば》シリーズの最新刊であり、
 実は私ネーさ、
 3月下旬に御紹介しようと考えて、
 準備をしていたのですが。

 アクシデントが発生しました。

「びッくりィしましたでス!」
「がるるるるるぐる……」(←訳:どうしたものやら……)

 この御本は、『孤独』と題されてはいますが、
 決して、さびしく孤立しているのではありません。

 表紙の、ページの、
 あらゆる端々に、濃く強く刻印されているのは、
 糸井さんが愛犬ブイヨンちゃんに注ぐ愛情です。

 ヒグチユウコさんが描く表紙画の主役は、
 ブイヨンちゃん。

 糸井さんと一緒に散歩するブイヨンちゃんの写真。

 部屋で糸井さん――おとうさんに寄り添い、
 甘え、くつろぐ、
 ブイヨンちゃんの寝姿。

 そのブイヨンちゃんが、
 先頃、虹の橋のたもとへと旅立ちました。

「あんまりィ、とつぜんすぎてェ~…」
「ぐるがるるるるる~…」(←訳:今も信じられない~…)

 ジャックラッセルテリアのブイヨンちゃん
 (愛称はブイちゃん)、
 この御本の中では、
 人間のおとうさんおかあさんとの楽しい日々を過ごしています。

 楽しく幸せそうなブイちゃんの写真は、
 『ほぼ日』ファンの方々には
 喜びであり、
 しかし同時に寂寥をおぼえずにはいられないものでしょう。

「ぶいィちゃんッ……!」
「がるぐるるる……?」(←訳:もう会えない……?)

 御本の冒頭には、
 レヴィ=ストロースさんの言葉

  《世界は人間なしに始まったし、
   人間なしに終わるだろう》

 をイトイさん的にヒネった一文が掲げられています。

  《じぶんが生まれてくる前にも、世界はあったし、
   じぶんが死んでしまった後にも、世界はある。
   そのことが、なんだかさみしくてしょうがない。》

「ふァいィ、さみしィ~でスゥ~…」
「ぐるるるがるぐるるるるぅ~…」(←訳:さみしいでは足りないよぅ~…)

 ブイちゃんと、おとうさんを取り囲む毎日。
 おとうさんが撮る、ブイちゃんの笑顔。

 愛犬――いえ、そこにいるのはもはや、愛する家族。

 ブイヨンちゃんに捧げられたこの美しい本を、
 ワンコ好きな方々、
 活字マニアの皆さまも、
 どうか、ぜひ、一読を。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする