テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

 ~ 幕は開き、舞台は歌う ~

2015-01-05 20:47:03 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむゥ! やッちまッたなァ~、なのでス!」
「がるる!ぐーるるがるるる?」(←訳:虎です!ネーさがまさかの?)

 こんにちは、ネーさです。
 おバカは引かないはずですのに、私ネーさ、
 東京駅の雑踏で“風邪”というアタリくじを引いてしまったようです。
 が!2015年最初の読書タイムは
 こちらの御本で、はなやかに!元気よく!まいりましょう~♪

  



            ―― オペラ座のお仕事 ――



 著者は三澤洋史(みさわ・ひろふみ)さん、2014年10月に発行されました。
 『世界最高の舞台をつくる』と副題が付されています。

「♪るるゥ~♪おぺらざのァ~♪」
「ぐるるがる~♪」(←訳:音楽の天使~♪)

 オペラ座……というと、
 多くの方々はパリのオペラ座を思い浮かべるかもしれません。
 けれど、かつては怪人(ファントム)が出没した劇場は現在、
 バレエの上演が主流となっております。

 この御本の著者・三澤さんが日ごと夜ごと参じては指揮棒を振るのは、
 ですからパリのオペラ座ではなく、
 我が国ニホンのオペラハウス。
 すなわち、

 新国立劇場!

「それはァ~、えッとォ~…」
「がるぐるる?」(←訳:あの駅近の?)

 東京の渋谷区、初台(はつだい)駅からすぐ、の場所に
 1997年に開場したのが新国立劇場です。
 著者・三澤さんは新国立劇場の
 《合唱指揮者》さんなんですよ。

「がッしょうのォ、しきしゃさんッ、でスかァ~♪」
「ぐるるがるーる!」(←訳:すごくユニーク!)

 新国立劇場専属の合唱団の指揮者(音楽的責任者)さんとして
 三澤さん、2001年から活躍しておられるのですが、
 これが、一筋縄でゆくお仕事じゃありません。

 ときとして、
 上演するオペラの指揮者さんと闘う!
 演出家さんと激論を交わす!
 舞台の足場や傾斜とか、
 ドイツ語の発音とかとも闘う~!

「ひゃッ! きょうてきィ、でスねッ!」
「がるぐるる!」(←訳:難敵だらけ!)

 でも、闘ってばかり、憤ってばかりでは
 良いオペラを上演することはできません。

 苦労を苦労と思わず、
 ポジティブに♪
 明るく♪
 そうして、公演初日に、
 さらには千秋楽へまで持ってゆく――

 新国立劇場でのさまざまなプロダクション、
 三澤さんの少年~音楽大学の学生時代、
 ベルリンへの留学、
 バイロイト祝祭劇場での仕事、
 ミラノのスカラ座での研修……と
 この御本には、音楽を職業とする人でも
 ちょっと想像を絶してしまうエピソードに満ちています。

 
 そのどれもが、
 三澤さんの筆ならぬ指揮棒にかかると、
 不思議とのどかな、
 なんでもないことのような、
 それでいて
 アリアのようにきらめいて聞こえるのですから、
 《最高の舞台》の裏側って
 面白すぎる!

「♪るるゥ~♪もォーつァるとォさんもォ~♪」
「ぐぅるるぅーがるる♪」(←訳:ヴェルディさんも♪)
「♪いざァ~じょうえんッ♪」

 特に、
 バイロイト音楽祭にいつか行くぞ!と
 お考えのワグネリアンさんには
 読み逃がせない場面がた~くさん登場しますよ。
 ワーグナーさんが設計したオケ・ピットの
 特殊構造のお話なんて、とっても珍しい!

「たいけんしゃッ、ならではッ!」
「がるるるるる!」(←訳:驚かされます!)

 新年にふさわしい《華》に彩られたオペラの世界――
 澄んだ音色が頁の上でハジケるノンフィクション作品を、
 2015“読み初めの一冊”に、ぜひ!
 




 
コメント
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