Butzmetz LingerieZ Blog

Butzmetz社長による徒然音楽日記。

音楽ネタその813: Jeff Beck -part xxxxx

2014-01-08 01:43:57 | Weblog

ここ数日というか、正月絡みの日経の特集に、いわば「コンピュータ v. 人間」というテーマの特集が組まれていて興味深い。例えば株式やFXなどの投資における高速売買システムが数多くのディーラーの職を奪った反面、人間の「経験と知識に裏付けされた洞察力に基づく長期のファンダメンタル予測」に人工知能は「恐らく」追いつかないし対応できないだろう、といった(半ばやっかみとも思える)論調や、先の日記にも少し触れた「ももいろクローバーZ」の楽曲提供者ヒャダイン氏のコメントに絡めた「産業としての」音楽の作曲現場の今様とか。

最近は「初音ミク」の登場に端を発したのか、音楽の分野におけるITの進化はすさまじく、例えばある「言葉の羅列」(別に何でもよくて、それこそ「今日の晩飯なんにすっかなー」的なもので可)を与えることにより、それに見合った何万通りもの「それっぽい」メロディを作曲できる人工知能が開発されているそうだ。

ま、よく考えればわからなくもなく、ポップスや歌謡曲などの領域であれば、普通の長音階や短音階の範囲内でいくらでもメロディを創造できてしまう。ハーモニーにしたって、乱暴な言い方をすれば、せいぜい3コードやII-Vに代表される4度進行の組み合わせで何とかなってしまうので、「コンピュータ様」による作曲というのも「さもありなん」てな感じかもね。

なんていうかな、あくまで私見だけど、音楽には二面性があって、例えばクラシックのような既存の格式高い楽曲(=アレンジの余地がほとんど入らない楽曲)については、それを再現するために必要な楽器の演奏能力が重視されるし、片や現代のように音楽が(一定範囲かもしれないけど)産業として成立している時代には、とにもかくにも楽曲としての「音列」を創出する能力が求められるように思う。前者は正に職人技で、ヴァイオリンにしたってピアノにしたって、毎日毎日ひたすらスケール練習のような基礎的訓練を繰り返して、楽器の演奏能力の維持向上に努めることが求められるが、後者はむしろ音楽理論の習得、いや、最近はそれすらひょっとしたら不要で、単に音楽用のソフトウェアの使い方さえ覚えればある程度の楽曲を作ることができる(と思う)。

私がよぼよぼのジイさんになる頃には、ひょっとすると流行歌の作詞家・作曲家なんて商売はなくなり、チャートの上位を占める楽曲の大半はコンピュータが自動的に作ったもの、なんてことになるのかね。うーん、極端かな。

なお、この日経の特集では多少スパイスが効かせてあり、「Steve Jobsの成功のような事例はある種の『狂気』に支えられており、それが人間と人工知能を分ける」と結んでいる。

なんだかまとまりのない文章になっちゃったけど(笑)、今宵のテーマは狂気。孤高の天才Jeff Beckが約40年前に発表した名盤"Blow by Blow"から"Scatterbrain"(https://www.youtube.com/watch?v=9xoC0rHd01w). うん、多分コンピュータの打ちこみ音楽でこれを再現するのは今では容易いと思うけど、こんなすごい演奏というか、「場」というか、絶えず意識したいもんですな。

 

-Butzmetz社長-

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