1986年公開のアメリカ映画です。
スティーブン・キングの原作はホラーなのですが、映画では四人の少年たち(特に、主人公のゴーディとリーダーのクリスの二人の間)の友情を中心に描いて、日本でも大ヒットしました。
ブルーベリー摘みに行って行方不明になった少年の死体の在り処を、ひょんなことから知った彼らは、死体を探しに線路伝いに森へ行くことになります(発見者になればヒーローになれるかもしれないのです)。
冒険旅行の間のエピソードは、1960年代のアメリカの田舎町の少年たちの風俗をそっくりいかしていて、どれも生き生きとしています。
また、作家志望の主人公が語る劇中劇も、いかにもスティーブン・キングらしいブラック・ユーモアがきいていて効果的です。
しかし、この映画で描こうとしているのは、そうした表面上のストーリーではなく、語り手でもある主人公の内面なのです。
アメリカン・フットボールの花形選手だった兄を事故で失い、そのショックから立ち直れないでいる両親のために自分のアイデンティティを失いかけていたゴーディは、この死体探しのための冒険旅行の間に、クリス(若き日のリバー・フェニックスが演じていてすごくかっこいいです)との友情を確かめることによって、立ち直るきっかけをつかみます。
そういった意味では、ラストに流れるベン・E・キングの名曲「スタンド・バイ・ミー」は、この作品(特に映画で描こうとした事)にはピッタリで、映画の題名もこれにしたのは正解でした(原作の題名は、Body(死体)という味もそっけもないものです)。