現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

オズの魔法使

2023-07-14 09:17:50 | 映画

 1939年公開のアメリカのミュージカル映画です。
 1900年に書かれたボームの児童文学「オズの魔法使い」(こちらには送り仮名の「い」がついていますが、映画の邦題はなぜか「い」が抜けています)が原作ですが、上映時間制限(いわゆる100分映画です)により短縮するために、かなり大幅にストーリーは変えられています。
 しかし、アカデミー主題歌賞を獲得した「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)」を初めとした今でも耳に残る楽曲の数々(アカデミー作曲賞を受賞)とダンス、当時は珍しかったカラー映像(カンザス(主人公の女の子ドロシーの故郷)のシーンはモノクロで、オズの国にいる場面だけをカラーにして効果をあげています)が、ファンタジー世界(当時はそういった言葉は一般的ではありませんでしたが)を見事に再現しています。
 CGなどまったくなく、特殊撮影さえ珍しい時代に、ファンタジー世界を創り出すためにいろいろな工夫がなされ、そのため安易なCGには到底できないような独特の味わいを生み出しています。
 特に、主人公と一緒に旅するかかし、ブリキの木こり、ライオンには、カンザスにあるドロシーのおじさんおばさんの農場で働いていた三人の男たち(ドロシーとは仲良しです)を、メーキャップでそれぞれのキャラクターに変身させているアイデアは素晴らしいです。
 特殊メイクとはとても言えないレベルですが、その手作り感が作品に親しみを与えています。
 また、マンチキン(小さな人たち)の国、黄色いレンガの道(つまり、エルトン・ジョンも歌っている「イエロー・ブリック・ロード」ですね)、あたり一面のケシ畑、エメラルドの都などは、現在のディズニーランドのアトラクションなどに雰囲気は似ていますが、はるかに美しくできています(まあ、当然、この映画のセットの方が先なので、ディズニーランドに影響を与えているのでしょうが)。
 主役のドロシーを演じた当時16歳だったジュディ―・ガーランドは、美しい歌声と達者な演技でアカデミー特別賞を受賞しました。
 なお、映画監督のヴィンセント・ミネリとの間に生まれた娘のライザ・ミネリも、1972年公開の「キャバレー」でアカデミー主演女優賞を受賞しているので、史上唯一の母子受賞となっています。
 実は父親のヴィンセント・ミネリもアカデミー監督賞を受賞していますので、ライザ・ミネリは恐るべきアカデミー賞血統ですね。


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