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雨の木曜日




雨の日、学校のお休み、しかし遠出はしない、という場合、ブルージュの子ども達の定番行き先は「室内遊戯場」。


日本で子育てをして経験がないので、同じようなものが日本にあるのかどうか寡聞にして知らないが、屋内に、巨大かつ凝った作りのジャングルジム+各種滑り台+縄+ジャンピング・キャッスル+ボールのプール等が設置されている、非常におもしろく遊べる場所(のよう)である。

大人には、子ども達に目が届く場所にカフェが用意されていて、お茶をしながら友だちとしゃべったり、読書したり、ラップトップを持ち込んだり...

わたしは喧噪の中で読書したり、雑誌を眺めたり、果ては考えをまとめたりするのが好きなので、ここで午後を過ごすのはやぶさかでないのである。

おそらく図書館が静かすぎて勉強がはかどらず、喫茶店で勉強したり、レポートを書いたりしていた過去の習慣がしみついているものと思われる。

対照的に夫はやかましい場所が嫌いだ。「しつけの悪い子どもとマナーの悪い大人の集まるサイテーの場所」と、どんな室内遊戯場にも寄り付こうともしない。


さて、今日はまさに「遊戯場」にうってつけの悪天候、ここに来たがらない夫は出張中、とタイミングは完全に整った。

娘は汗だくになるほど遊び、わたしは英国ヴォーグ紙一冊と、講談社学術文庫の一冊後半半分を読破。

さらにあることがらについての構想を練り上げることもでき、母娘ともにいやに充実した雨の午後であった。


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survival




さて、クロッカスバケーションまっただ中。

このバカンスを利用してスキー旅行に行く家族が最も多いのだそうだ。
わが家は夫が出張中、結果、わたしが1人でこの9日間を生き抜く方法を編み出さねばならぬ。



わたしは子どもと遊ぶのがすごくすごく苦手なので、朝から夜まで「5歳の娘と一緒に何をやってもいい」というのは強烈なストレッサーになる。

同時に、うまく遊んでやれない自分のことがイヤで、それもまたストレッサーに。


工作、塗り絵、買い物につき合わせる、移動遊園地に連れて行く、
DVDやPCゲームを餌に勉強する習慣をつける、ピアノの練習をさせる、
庭でボール遊びをする、散歩、美術館、友人たちを招待する、
観劇、祖父母に預ける...

と、ネタはすべて尽きたので、今日は遅い午後から、週末の招待先へのお土産として、クッキーを焼くことにした。

お菓子づくりは仕上がりさえ気にしなければ、かなり時間稼ぎ(ひどい親)をすることができ、後でお菓子を食べられると思えば、共同作業のプロセスもなかなか楽しく感じられる。


そこで登場したのが半年前、NYのウイリアムズ・ソノマで購入し、使わないままになっていた動物の形のクッキー・カッター(買った時点で満足、というのはわたしの悪いクセ)。
娘(わたしも)、大喜び。


しかし...
この型、形が超リアルで凝りすぎのため、型から抜いて天板にのせるのには神業が必要である。

キリンの極細のしっぽや、チンパンジーの細長い手足がぷっつり切れたりすると「もう、ママ」と非難の声が飛ぶ。

ああ、疲れた...
わたしも子どもになりたい。


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カーニバル・パレード




午後、パトカーに先導されてカーニバル・パレードが始まった。

コンフッティ(紙吹雪)やキャンディをまき散らす、ピエロや、マリリン・モンローや、はじめ人間ギャートルズ。

トラクター(!)にひかれたはりぼての山車。

地球の裏側で行われているであろう南米のカーニバルを思うと、涙ものの素朴さである。

人が死ぬような祭りの熱狂の温度、限りなく低し。


コンフェッティをもろにかぶったわたしが、帰宅してコートをとりマフラーをとりしていくと、あとからあとからコンフェッティがはらはらとこぼれ落ちた。



春はもうすぐ。





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クロッカス休暇




今日から謝肉祭休み(=カーニバル休暇)、
別名クロッカス休暇。

昔、理科室で水栽培したクロッカス、あの白や紫や黄色のクロッカスが、春一番の花として咲き始めるのがこの時期であることに由来しているそうである。

なんと優雅な名前のバカンスなのだろう。


前日も書いたが、今年は謝肉祭が巡ってくるのが暦的に早いのでクロッカスはまだまだだろう、と思っていたにもかかわらず、ブルージュの国鉄駅から、旧市街へ向かう道のグリーンゾーンには緑色の芽がたくさん出ていた。

写真はクロッカスと同じ時期に咲く、スノー・ドロップ。


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カルナ・ヴァル(肉よさらば)




謝肉祭。=カーニバル(=カルナ・ヴァル、しかし語源は諸説あり)。


今年はこの時期が巡ってくるのが早いこと。
ついこの間、クリスマス/お正月休みが終わったばかりなのに。

謝肉祭は復活祭(イースター)を前にして行われる、キリスト教の乱痴気騒ぎである。

復活祭(イースター)の前40日間を四旬節と呼び、イエス・キリストの受難を偲ぶため、この期間、キリスト教徒は自らを省みて懺悔を行うのだが、獣肉を絶つなどの精神的修行行為もこれに含まれているのだ。

この苦行を始める前に、食いだめ、遊びだめを目的に酒池肉林するのが謝肉祭。四旬節の1週間前から3日前くらいに開催される。
最近は受難は偲ばずにもっぱら酒池肉林だけするようだが。


....



そして街のキリスト教系の幼稚園や小学校の生徒は仮装を許され、みなファンタジーの限りを尽くして(?)登校。

校庭でコンフェッティ(紙吹雪)をまいたり、走り回ったりできるのである。
これが子どもの酒池肉林。

健康的やね~。

午後、お迎えに行くと、女の子は目につく限り全員お姫さま。
すごい色。ピンク、ピンク、ピンク....ピンクが嫌いな女の子はいないの?

一方、男の子はゾロ。

ちらほら海賊フックや騎士で差異をはかる姿も見える。
おお、かわいい。



帰り道、ピンクのお姫さまドレスをまとった5歳の娘に「どうして女の子はみんなピンク色のお姫さまで、男の子は黒いゾロなのかしら?」とするどいジェンダー的質問を投げかけたが、

「だってママ、例えばアルテュール君がピンクのドレスを着てたら笑っちゃうじゃない?」

「ま、そうだけど。でも女の子がゾロの仮装をしててもカッコいいし、アルテュールがお姫さまドレスを着てたら、それはそれで『違いを認める社会』的にははいいんじゃないの?」

母、自分で何を言っているのかわかりません(笑)。
相手、5歳です。

この年令にしてすでに性別役割が刷り込まれているのかと、きっとある種のグループは敏感に反応するのであろう。
おもしろいなあ。

でもばか騒ぎなのだから、やっぱりアルテュール君にはドレスを着て欲しかったぞ。


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