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Brugge Style
and roses and roses
もともとマメで世話好きな夫が、以前に増してガーデニングに熱心になり、リタイア後は庭師になるか、ヨーロッパ大陸の南方でオリーブ園を手入れしながら生きたい、などと言い出した。
イングランドで新型コロナウイルス禍の隔離生活も17週目、彼が目下夢中なのは薔薇の世話だ。
この季節、どんどん花をつけ、蝶や蜂が寄ってくるのが嬉しくてたまらないようだ。
......
ギリシャ神話の中に登場するミダス王は、ディオニソスから恩返しとして、触れるもの全てを黄金に変える力を得る。
最近、このミダス王の墓がトルコで発見された。その時に書いた記事。
彼はなかなかの賢君であり、エピキュリアン(快楽主義者というとひたすら欲深いイメージがあるが、知足安分のこと)で、また「薔薇の庭師」でもあった。
薔薇の庭師と呼ばれていたのは、彼が薔薇を好み、薔薇の園を持っていた...という意味ではなく(持っていたかもしれないが。ヘロドトスはベルミオン山のふもとにある野生の薔薇園を「ゴルディアスの息子ミダスの庭」と呼んでいる)、神から与えられた園(国土)を守り、耕す庭師というのはメソポタミア的な王のイメージなのである。
彼らはただ横暴なだけの専制君主ではなく、国を養い、豊かな実りと繁栄に目を配り、民の生活の安定を実現する「神の庭師」だったのである。
つまり王の神官としての役割や力量が、国に豊穣と平和をもたらすという考え方だ(これは日本の天皇家の役割に似ている)。
ミダス王は「王様の耳はロバの耳」で有名だが、「ロバの耳」は王族の象徴だそうで、調べてみよう...
Rosa Emma Hamilton
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