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ブルージュと言えば...レース




もう何年も前のこと、駐在のためにブラッセルに来たばかりだった友人の話。

駐在妻の会でお稽古の話になった時、ある方が「レースを少し」と言ったのを聞き、「あの人、めっちゃおとなしそうやのに、レースなんかやってはるんや」ってびっくりしたわー! 

そうやね、最寄りのレース場はスパ・フランコルシャンやんね...って、あれはネタだったのだろうか、マジなボケだったのだろうか。



ブルージュの物産と言えばチョコレートとレース。

今はもう変わったかもしれないが、高速道路でブルージュに入ったことを告げる看板には、白鳥とコンツエルトヘボウそしてレースが意匠してあったくらいだから、まあそういうことなのだろう。

義理の母も娘時代のお稽古事としてレースを習ったそうで(娘にもいつか教えてやって欲しいと思っている)、街のあちこちにたくさんのレース店があり、わたしも時々お土産にしたり、ご挨拶に使ったり、なかなか馴染みのある工芸品だった。

しかしわたしの側の想像力の欠如で、モダンなインテリアの家の中でどのように使ったらいいのか全くアイデアが湧かず、自分では1枚も所有していなかったのだ。
知り合いが現代のインテリアに馴染ませるために色レースを使ったモダンな図柄(モンドリアンかミロかという感じ)を考案していたが、それを使うくらいならばクラシックな柄の方がまだ素敵だと思った覚えがあるくらい、わたし自身の生活には縁がないもの、それがレースだった。


ところで、ケーキなど、お菓子の仕上げによく使われるレースペーパー、あれの起源を考えてみた時に、ある時代より前は本物のレースを使っていたのではないかと思った。銀のトレイに本物のレースをのせて食器をのせるのには馴染みがあるが、お菓子...でも考えてみたらとても自然だ。繊細なボビンレースを敷いてクッキーを供する...なんとカトリーヌ・ド・メディシス風味なんだろう。

レースペーパーはあまり好きではない。ブルージュのレースも綺麗だとは思うが、うちのインテリアには合わない。と思っていた。でもブルージュの本物のレースをレースペーパーの代わりに使うのはなかなか好みだ、ということが分かった。まあ、クリームたっぷりのケーキなどには使えませんがね...乾きもの類の専用で。


そういうわけでクリスマスに帰郷した時にもまた何枚か買って来た。がしがし洗って繰り返し使うので高価なものではないが、真っ白になったのにのりづけしてアイロンをかける瞬間はこの上もない幸福感に襲われる。

これから数を増やすのが楽しみなものの一つなのである。


(写真右側の図案が「ブルージュの」柄。もしブルージュの記念に購入されるなら、この丸っこい花の図案が入っているのを選ばれるといいかも)
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