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くるみ割り人形の季節




わたしにとって、クリスマスと言えばくるみ割り人形、くるみ割り人形と言えばクリスマス。

幼女の頃、M.フォンティーンとの出会いがきっかけでバレリーナに憧れ、高校時代、自分はどうしたってバレリーナになれないと気づくまで、とにかくバレエにまつわるすべてが大好きで、お稽古を続けていた。


今年5才になったばかりの娘もバレエに夢中だ。

彼女がピンク色のバレエ・シューズで踊っているのは(お猿さんのようで)優雅さとは程遠いのだが、音楽に合わせて身体を動かし、先生のポーズを真似ているのを見ると、 自分の遠い日々をなつかしく思い出す。


そういうわけでバレエは踊るのも観るのも好きだ。
この数十年間、クリスマスの時期にはくるみ割人形を観ることを習慣にしている。
新しい演出のくるみを演ると聞けば、ロンドンにでもシカゴにでもサンクト・ペテルスブルグにでも馳せ参じる。

今年は初の娘連れであるため、近所の劇場にいそいそと出かけた。

くるみ割り人形は振付にバリエーションが複数あるとはいえ、チャイコフスキーの分かりやすくも美しい音楽と、プティパのロマンティックな台本で、バレエに興味のない方でも多少は内容をご存じだと思う。


主人公クララの家で開かれるクリスマス・パーティーで幕が上がり、やがて舞台はお伽の国へ。
装置の華やかさ。
多くの登場人物の多彩な衣装。
エキゾティックなダンス。
誰でも楽しめるお伽の国のスペクタクルである。



.....



公演終了後、歓喜に顔を輝かせ、興奮しつつ街に出た。

娘は雪の精になりきって、踊りながら歩く。
彼女にとって裾の長いコートはチュチュ、電球で飾られた街路樹はお菓子の木、修復中の聖堂は魔王の城、パパは王子さま(笑)なのである。

高校生の時、魔法を諦めてしまったわたし。
だが、子どもに習って見方を変えれば、この世はいつもワンダー・ランドである。
すべての現象に解釈を与えるのは自分自身なのだから。
特にこの季節は...

いや、いつだってクララが招待されたお伽の国のように、幸福と希望と愛と自由に溢れた世界に生きていたいものである。



.....Merry Christmas.....



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