silly ski squadronスキー雑記

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KGBムービー公開&RAS(レニン・アンギオテンシン系)のおさらい

2011年02月10日 00時36分33秒 | スキー
久しぶりにKGBスキームービーを作りました。
H川先生は既にYoutubeに自己紹介付きで出ておられるので、お一人だけ顔出しになっています(と言うよりそこの動画から一部拝借しました)。
他は最初に公開したムービーから個人が特定できないように工夫しておりますので、たっぷり皆さんの転倒シーンをお楽しみ下さい(笑)

さて。。。RAS(Renin-Angiotensin System:レニン・アンギオテンシン系)を再確認しておきます。
身体は血圧を維持するために色々なメカニズムを持ちますが、その血圧調整の中枢とされるのがRA系です。
簡単に機構をおさらいしてみます。
腎臓の傍糸球体装置(傍糸球体細胞・緻密斑・メサンギウム)では緻密斑が遠位尿細管を流れる尿量を感知し、それに応じて傍糸球体細胞からレニン(酵素です)の分泌が起こります。ちなみに傍糸球体細胞の多くは輸入細動脈壁に集合していますが、輸出細動脈にも少量存在しています。
要するにこの装置が血圧を感知して血圧が低ければレニンの分泌を亢進させ、高ければ抑制させているわけです。
分泌されたレニンには血圧上昇作用はなく、主に肝臓で産生される血液中のアンギオテンシノーゲンを切断し、アンギオテンシン1を産み出させます。
アンギオテンシン1はアンギオテンシン変換酵素(ACE)によりアンギオテンシン2へと変換されます。
このアンギオテンシン2が受容体を介して血管収縮・水電解質の再吸収促進などにより血圧を上昇させます。

アンギオテンシノーゲン(肝)
   ↓
   ↓←レニン(腎)※A
   ↓
アンギオテンシン1
   ↓
   ↓←ACE(肺)※B
   ↓
アンギオテンシン2
   ↓
   ↓
アンジオテンシン受容体(AT1受容体・AT2受容体)※C→血管収縮→血管抵抗増大→血圧上昇
   ↓
   ↓→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
   ↓                ↓           ↓
アルドステロン分泌(副腎皮質)・ADH&ACTH分泌促進(脳)・飲水行動誘発
   ↓
ナトリウム吸収促進
   ↓
体液(血液)量増加
   ↓
血圧上昇

※A:DRI(直接レニン阻害剤)
※B:ACEI(アンギオテンシン変換酵素阻害剤)
※C:ARB(アンギオテンシン受容体ブロッカー)

上記システムのどこをブロックすれば有効に血圧を下げることが出来るかというのが現在の論点になっています。
近年ACEIのみでなくARBもNO(一酸化窒素)を抑制して心筋保護することが分かっておりそれに関しては優劣はないように思います。
降圧作用と持続時間の長さを考えるとARBがやや有効ではないかと思われます。
(降圧の程度自体が臓器保護に関与することより)
しかしRASに関してはそれほど単純ではなく、いろんな他の要素も絡み合うので、現在どちらが絶対的に優位とはいえないと思いますが、次々と発表されるARBのエビデンスを見ているととりあえずはARBをファーストチョイスとして良い気がします。
RASの最上流阻害に位置するDRIはまだエビデンスが少ないので何とも言えませんが非常に有望な薬剤であると思います。
いずれもPAI-1抑制やアディポネクチン上昇を示すデータがあるので数年後のメタ解析を待ちたいものです。
あと我々には糖尿病新規発生抑制も気になるところです(例:KYOTO HEART STUDYに於いてバルサルタンで優位に抑制された)。
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