いろいろとプライベートなことで多忙になったりで、SGLT2阻害薬のデータをまとめていませんでした。
ようやく昨年末になってからこりゃいかんと思い日々の切れ間にちびちびやってたのが、publishされましたので興味のある方はどうぞ。血圧・肝機能・尿酸値など臨床データもおまけで付いていますが、主に体重の内訳の変化だけをBIA法でfollowしたものですから単刀直入で分かりやすいと思います。
前回*1の補遺、続編バージョンみたいなもんです。
今回のレポートはIpragliflozinのデータの中でも服薬前後にInBody770でのチェックが出来ている方たちを対象としたものです。
SGLT2阻害薬では体重が減るわけですが、それならどの場所の脂肪が減ってるのか?どの筋肉が減るのかどうなのかを四肢・体幹別に検討してみました。
脂肪が落ちて全体として体重が減るのであれば自重を支持する下肢の筋肉は減って当たり前と思っていたのですが割と意外な結果でした。
あ、まだ本が出たところなので検索しても出ないです。j-globalあたりに掲載されるのも2、3カ月してからだと思います。
SGLT2阻害薬イプラグリフロジン12カ月間投与における全身および四肢・体幹の脂肪量・筋肉量の変化および内臓脂肪面積の検討.Prog Med 2017;37:111-114.
A Study of Fat and Muscle Mass Changes in the Whole Body,Four Limbs and Trunks,as well as in the Visceral Fat Area in Patients Administered the SGLT2 Inhibitor Ipragliflozin over a 12-Month Period.
結局のところ、ふつうに動いていれば、食事療法だけでもGLP-1製剤*2でもSGLT2阻害薬でも筋肉量はそんな落ちない。落ちてもサルコペニアを心配するほどではないということになりそうです。GLP-1製剤で嘔吐が強くて食事が入らないというケースは別ですけど。
ただ糖質制限しすぎの食事療法は筋肉が落ちるようです。SGLT2阻害薬で糖を入れて出すのと初めから入れないのじゃ、大方の先生方が仰るように、極度の糖質制限ではインスリンが出ないため筋肉の異化が進むんじゃないかと思われますが、今後の検討が待たれるところです。
ただ言えることは、これからは体重が落ちた!だけではダメで、何がどう落ちたかが外せないポイントとなってくると思います。
それにしてもこういう検討は食事内容や摂取の仕方、活動量やその内容(歩くだけなのか、筋トレ入れるのか、歩くにしてもMETsはどれくらいか)の個人差が大きいので、簡単には結論出せないですけどね。
*1:『イプラグロフロジン(SGLT2阻害薬)の臨床的効果とBIA法による体成分変化の検討』“Study of Clinical Effects of Ipragliflozin(SGLT2 Inhibitor) and Body Composition Changes byBIA(Bioelectrical Impedance Analysis)”
Prog.Med 2014 ;34:2229-2235.
*2:Mariangela Rondanelli,Simone Pena,Paolo Aston,et al.Twenty -four-week effects of Liraglutide on body composition, adherence to appetite, and lipid profile in overweight and obese patients with type 2 diabetes mellitus.Patient Preference and Adherence 2016:10 407-413
ようやく昨年末になってからこりゃいかんと思い日々の切れ間にちびちびやってたのが、publishされましたので興味のある方はどうぞ。血圧・肝機能・尿酸値など臨床データもおまけで付いていますが、主に体重の内訳の変化だけをBIA法でfollowしたものですから単刀直入で分かりやすいと思います。
前回*1の補遺、続編バージョンみたいなもんです。
今回のレポートはIpragliflozinのデータの中でも服薬前後にInBody770でのチェックが出来ている方たちを対象としたものです。
SGLT2阻害薬では体重が減るわけですが、それならどの場所の脂肪が減ってるのか?どの筋肉が減るのかどうなのかを四肢・体幹別に検討してみました。
脂肪が落ちて全体として体重が減るのであれば自重を支持する下肢の筋肉は減って当たり前と思っていたのですが割と意外な結果でした。
あ、まだ本が出たところなので検索しても出ないです。j-globalあたりに掲載されるのも2、3カ月してからだと思います。
SGLT2阻害薬イプラグリフロジン12カ月間投与における全身および四肢・体幹の脂肪量・筋肉量の変化および内臓脂肪面積の検討.Prog Med 2017;37:111-114.
A Study of Fat and Muscle Mass Changes in the Whole Body,Four Limbs and Trunks,as well as in the Visceral Fat Area in Patients Administered the SGLT2 Inhibitor Ipragliflozin over a 12-Month Period.
結局のところ、ふつうに動いていれば、食事療法だけでもGLP-1製剤*2でもSGLT2阻害薬でも筋肉量はそんな落ちない。落ちてもサルコペニアを心配するほどではないということになりそうです。GLP-1製剤で嘔吐が強くて食事が入らないというケースは別ですけど。
ただ糖質制限しすぎの食事療法は筋肉が落ちるようです。SGLT2阻害薬で糖を入れて出すのと初めから入れないのじゃ、大方の先生方が仰るように、極度の糖質制限ではインスリンが出ないため筋肉の異化が進むんじゃないかと思われますが、今後の検討が待たれるところです。
ただ言えることは、これからは体重が落ちた!だけではダメで、何がどう落ちたかが外せないポイントとなってくると思います。
それにしてもこういう検討は食事内容や摂取の仕方、活動量やその内容(歩くだけなのか、筋トレ入れるのか、歩くにしてもMETsはどれくらいか)の個人差が大きいので、簡単には結論出せないですけどね。
*1:『イプラグロフロジン(SGLT2阻害薬)の臨床的効果とBIA法による体成分変化の検討』“Study of Clinical Effects of Ipragliflozin(SGLT2 Inhibitor) and Body Composition Changes byBIA(Bioelectrical Impedance Analysis)”
Prog.Med 2014 ;34:2229-2235.
*2:Mariangela Rondanelli,Simone Pena,Paolo Aston,et al.Twenty -four-week effects of Liraglutide on body composition, adherence to appetite, and lipid profile in overweight and obese patients with type 2 diabetes mellitus.Patient Preference and Adherence 2016:10 407-413