silly ski squadronスキー雑記

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Apple watch for Diabetes Mellitus(特にSGLT2阻害薬)

2015年05月30日 01時25分49秒 | スキー・自転車・糖尿・メタボリック
手元にApple watchが届いて2週間になりました。そろそろファーストインプレッションを。
(上記のスクリーンショットはワークアウト時のもの)
まず言えることはユーザーがこの“時計”に対して何を必要としているかの違いによって相当評価が分かれるだろうなということです。
電話・メールの送受信・スケジュール管理などがメインであれば評価は高くないかも知れません。
しかしながらワタシのように「心拍数を反映するウェラブル・デバイス」を心待ちにしていた人間にはとてつもなく大きな福音ではないかと思います。
確かに今までにも、チェストストラップ不要な幾つかのリアルタイム時計型心拍数計(立ち止まらなくとも連続測定出来る)はありましたが、スマートフォンのOSとの親和性や方向性を考えますと現在のところベストな存在ではないでしょうか。防水も生活防水と控えめですが、実はIPX7等級なので普通にシャワークライミングに使えるでしょう。
なおApple watchの反射式・光電式容積脈波記録法(PPG:photoplethysmography)は医療現場でもよく使われています。よくこの大きさの中に押し込みましたね。
近いうちにSMBG(self monitoring of blood glucose:自己血糖測定器)アプリも使用できそうですし(アークレイ社)、米国ではCGM(Continuous Glucose Monitoring:血糖持続測定)の母艦にiPhoneを使用しApple watchで血糖を確認すると言った使い方が始まりそうです。こっちはDEXCOM社ですね。インスリンポンプ使用時にも期待できそうですね。
職業柄iOS8になってヘルスケアが出来た時には大きな期待を寄せていましたし、現在でも診療の際に運動療法チェックの補助によく使っています。
メディカルIDという考えもなるほどねと思いました。インスリンなどを使用しておられ、iPhone5以降の方にはメディカルIDに記入を勧めています。
Apple watchの消費エネルギーの考え方はなかなか興味深く、良く考えられていると思います。
アクティビティアプリに関しては3つに分かれています。ただこの分類の基準が明記していないので是非あれば教えて欲しいものです。AppleのWebページより推察すると

ムーブ(赤リング):体を動かすことにより消費される
エクササイズ(緑リング):早歩き以上の運動強度
スタンド(青リング):少なくとも 1 分間連続で立っていた時間

となっていますので、おおよそ以下のように考えてもいいかと思います。

ムーブ:約3.0Mets前後
エクササイズ:4.0Mets程度以上
スタンド:2.0Mets
(但し、スタンドは運動強度というより血行促進などの側面が強いと思います)



あと安静時消費カロリーという項目ですが、これは基礎代謝とは異なりますね。
ワタシの基礎代謝はBIA法で1,400kcal前後です。
なぜ1778kcalなのか?という根拠ですが、おそらく年齢、身長、体重に加え、前週の心拍数や歩行数などのパラメーターも加わっているのではないかと思われます。週毎に少しずつ変わります。
面白いことに、この数値は糖尿病食事療法でカロリーを算出する際の式である標準体重×30(減量したいときは×25、動きの強い仕事などのときは×35)にほぼ相当します。
なので糖尿病患者さんの運動療法を含む消費カロリーを把握したい場合にも、Apple watchは極めて正確な数値を弾き出してくれるでしょう。
SGLT2阻害薬は消費エネルギーと摂取エネルギーを把握すれば、簡単にどれくらいの期間で何kg減量できるか計算の出来る薬ですので、あとは写真法などを用いて1日の食事チェック(摂取エネルギー量)をすれば、効果が出るためにはどういうことを患者さんに気をつけて貰えば良いかが一目で分かります。
細かい注文もありますが「今我々が手に入れることのできるウェポンを使って最良のオーダーメイド糖尿病治療を」というものに貢献するものではないでしょうか。
コメント
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