ボイシー日記

手がふさがっていては、新しいものは掴めない。

プルースト「失われた時を求めて」。

2010-12-12 11:56:54 | 
プルーストの「失われた時を求めて-第一編スワン家のほうへ1」
(光文社古典新訳文庫/高藤弘美訳)を読みました。
まだ第1巻目だけですが。。。
この小説は、前々から読みたいと思っていましたが
なかなかあの重量感、ぶ厚さの前にくじけていました。
しかし今回、意を決して読み始めてみました。

で、この高藤弘美訳の「失われた時を求めて」、
まだ第1巻目を読んだだけなのに、
なんだかとても幸せな気分になりました。
それは、ほとんど翻訳の美しさといっても
過言ではないかもしれません。
外国の小説は、唐突な言葉や、ぎこちない文章が
出てくることがあって、興ざめすることもありますが、
この高藤弘美さんの翻訳は、
自然描写からメタファーまでイメージがふくらんできて、
上手な言い回しだなぁと感心しました。
そしてストーリーよりも一行一行をじっくり読んで、
その甘美な世界に浸るのがいいです。
(高藤弘美さんも、まえがきで書かれていました)

また、最後の「読書ガイド」というところに、
今まで他の人が訳した文と高藤弘美さんが
訳した文の比較がでていて、その違いがわかりましたが、
そこを読んだだけでも、本当にプルーストの世界を
丁寧に表現しようとしているのがわかりました。
これは第2巻目以降も楽しみです。
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