河童の歌声

歌声喫茶&キャンプ&ハイキング&写真&艦船

芸能界広しと言えども・・田宮二郎

2023-04-16 04:38:56 | 芸能


昔、田宮二郎という俳優がいました。
彼は私が好きな俳優でもありました。
1935年(昭和10年)~1978年(昭和53年)享年43歳。

大阪出身。本名、柴田吾郎。
生後4日で父親が亡くなり、戦後間もなくというから、10歳か11歳くらいで母親とも死別。
その為、幼少時から高校時代にかけて京都にて親族によって育てられる。



京都府立鴨沂高校に入学した彼には1年先輩に、団令子がいました。
彼女の美少女ぶりは有名で、田宮二郎も勿論、彼女に憧れた様です。
卒業後は学習院大学へ進み、政経学部経済学科を卒業しました。
在学中は外交官志望でしたが、在学中の1955年(昭和30年)に、
スポーツニッポン社主催の、ミスターニッポンコンテストに優勝。
それがきっかけとなって大映に入社しました。

1961年(26歳)映画「女の勲章」で注目を集め、名を挙げました。
その年から始まった、今東光の小説「悪名」シリーズで、
勝新太郎の弟分、清次役として16作に出演しました。
(田宮二郎は、元々関西出身なので、関西弁はお手の物でした)



1965年(30歳)
何度も共演していた女優の藤由紀子と結婚しました。
彼ら夫婦は芸能界の、おしどり夫婦と言われていました。

1968年、映画「不信の時」の宣伝ポスターの序列に不満を持ち、
会社に直談判をし、それが永田雅一社長の逆鱗に触れ、大映を追われ、
更に五社協定により、映画界から追放されてしまいます。
彼は、自分のスターとしての人気がかなりなものだという思い上がりがあり、
その傲慢さが永田雅一を怒らせたんだと思います。

田宮は仕方なくテレビ業界に活路を求め、
「クイズ、タイムショック」の司会者になりました。
しかし、徐々にテレビ界で再び人気を博し、スターとしての座を獲得して行きます。

1977年(42歳)頃より、実業家としての夢を言い始め、
精神的に不安定となり、躁鬱病と診断されます。
また、頭髪が薄くなってきた事についても悩んでいました。





山崎豊子の小説「白い巨塔」のドラマ化を田宮は強く望んでいたのですが、
1978年から撮影開始となります。

田宮が俳優人生の総力を賭けて臨んだ「白い巨塔」が終わった後は、
田宮は虚脱状態になり、
放映が残り2話になった日、自宅ベッドで猟銃の引き金を足の指で引いて、
自らの命を絶ってしまいました。
享年43歳。
「白い巨塔」最終話の視聴率は31,4パーセントという高視聴率だったそうです



「白い巨塔」最終話で、
ガン治療の権威者である財前五郎本人が、ガンによって死んで行くという皮肉なラストシーン、
田宮二郎は3日間絶食をして痩せた状態での迫真の演技。
あれは(演技)などと言えるものではない、(演技)を遥かに超越したものでした。
当時、あのシーンを観たという人達は、みなその凄さを言います。
田宮二郎は、あの時、自分自身の死を覚悟していたんだと思うのです。

田宮二郎という俳優は、
「白い巨塔」の主人公が(五郎)という名前であり、
それは田宮二郎の本名が(吾郎)である事とオーバーラップして、
また、その頃、彼の頭の中を占めていた実業家として活躍できない悩みと重なって、
現実としての(死)を意識し、覚悟していたふしがあるのです。

田宮二郎は、外交官になりたかったという背景があって、
彼自身「俺の英語は下手なアメリカ人より上手い」と豪語するだけ上手かったみたいです。

私は20歳を少し過ぎた頃、藤沢に住んでいました。
その藤沢駅前のデパートに田宮二郎が来た事がありました。
たまたまデパートに行ったら(田宮二郎来たる)などと書いてあり、
私は好きなスターでもあるしと1時間くらい彼の到着を待ちました。
ああいったスターというのは、勿体ぶって遅れてくるのです。
時間通りに来るスターなど、スターとしての有難みがなくなってしまいますからね。

やっと到着した田宮二郎は、身長178,5センチと、その通りでした。
級友に田宮と同身長の奴がいたんで「あいつと同じだ」と思いました。
田宮二郎が現れた瞬間のどよめきは凄かった。
スターというのは、やっぱりスターなんですね。

で、何が「芸能界広しと言えども」なんでしょうか?
芸能界広しと言えども、田宮二郎ほどのプレイボーイはいなかったそうです。



山本陽子。



坂本スミ子。

挙げればきりがない、女性遍歴。
それは、彼が子供時代、親の愛をあまり受けられなかったからだとも言われるみたいです。
確かに両親からの愛に関しては恵まれていませんでしたね。
彼はきっと、母の母性愛に飢えていたのかも知れません。

今でも田宮二郎の存在を忘れられないという人は多いんだと思います。
男性は彼の男らしいカッコ良さに、
女性も彼の男らしいカッコ良さに、
な~んだ、男も女も同じかよ・・・

で、俺は・・ま、いいか~。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 再び、ケサラ | トップ | 驚いたキャンプ場事故 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

芸能」カテゴリの最新記事