人気番組「笑点」で38年間に渡って座布団運びで親しまれている、
山田たかお氏(65歳)が、
この程、介護職員初任者(ヘルパー2級)の資格をとったとのニュースがありました。
と言っても彼は別に老人ホームの職員として働こうというのではなく、
自分で新たな老人施設を立ち上げるという事です。
山田氏が言う老人ホームは、
大理石の建物などは要らない、ここが自分の(家)なんだという施設。
老人達が楽しく、暖かな気持ちで人生を終えられる施設を造りたいが理想という事です。
嬉しいですね。
そういう理想を貫く施設を是非、造っていただきたいと思います。
私の母は96歳で亡くなるまで、何ヶ所かの施設を回され、
最終的には横浜郊外の老健が最後でした。
しかし、ある日体調が悪くなり救急車で大きな病院に運ばれました。
そこは横浜、青葉区の田園都市線・藤が丘駅近くの病院でした。
そこで二日後に逝ってしまったのですが、
母は自分が何処にいるのかなど全然分からずのベッドで亡くなったのです。
自分が今いる場所は何処なんだろう?という気持ちは、私だったらイヤですね。
自宅で逝く人は、そういった意味では本当に幸せです。
老健側でも、そういった老人達の気持ちを考えて、
夏祭りや、誕生会など色々志向を凝らしてのイベントを行ってくれました。
でも、老人達の本当の気持ちはどうだったんでしょうか。
母がそういった施設を数か所、回されていた時、
私は何十回と母の面会に行きました。
自分が初めてそういった施設の中に入った時のショックは忘れません。
テーブルの周りを老人達が椅子に座って所在なくしています。
「この人達はいったい何をしてるんだろう?」が最初のショックでした。
みな何するでもなく、ただ黙って座っているだけ。
皆が何かを話題にして語りあう・・そんな事はまるでありません。
ただただ黙って座っているだけなんです。
人によってはテレビを観ている人もいますが、
それだって別にストーリーを追っているのではなく、
画面に写っている(動き)を意味もなく追っているだけなんです。
最もショックだったのは、私より若い(60歳くらいの)男性がいたことです。
彼はその歳で既に痴呆症なんだとか。
「あ~、嫌だ、俺は老人になっても絶対にこんな施設には入りたくない」
心底、私はそう思いました。
よく、家の中で独りポツネンとしていた老人が、
施設に入ると見違えて生き生きしてきたなんて話も聞きました。
きっとその人にはそういったムードが合っていたのでしょう。
私も母にそういった事になるのを期待していました。
しかし、母はまるで違っていました。
老人施設に馴染めず、最後まで嫌っていたのです。
ですから「家に帰りたい」と母がつぶやいた時は、
切なく、やり切れなく、どうしようもなく辛かった。
私だって、そうしてあげたい。
でも、それは物理的にどうにもならない事が分かっているから施設を頼ったのです。
今更どうなるものではないのです。
でも、私の心は張り裂けそうになりました。
山田たかお氏が言う「ここが自分の家なんだ」
それは実に、本当にそうだと思います。
みながそう思える私設であったら「家に帰りたい」の言葉は、
家族は聞かなくて済むでしょう。
そういった老人ホームを是非、実現させてください。
心からそう願っています。
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