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組み立て暗箱

2021-10-15 06:21:41 | 写真
昔、組み立て暗箱と呼ばれた大型カメラがありました。
いえ、今でもあるのですが。
4×5(シノゴ)とか8×10(エイトバイテン)とか、
最大のになると20×24などと、フィルムサイズが50センチ×60センチなどという、
お化けみたいなのも有るそうです。





日本にもほんの僅かに制作会社がありました。
タチハラ・ナガオカ・トヨビュー・トプコン・・
中でもタチハラのマホガニー製のカメラは美しかった。



外国だと、最も有名なのに、
ドイツのリンホフ・スーパーテヒニカがあります。
しかし、これはあまりにも高価で手が出ません。
主にプロ写真家が使っています。
それに比べると日本製は安価で高性能と言われていました。

タチハラ製作所は立原正雄が1933年に創業した会社で、
その息子が後を継いで細々と営業していましたが、
2013年に廃業したそうです。
従業員5名で、その社長も亡くなってしまい、再建はあり得ません。

マホガニーの木は自然乾燥で3年もかかり、
一台を作りあげるには4年もかかるそうです。
こんな割りの合わないカメラ作りをしていたら、
時代の波に勝てる筈もなく、本当に良心的に作っていたのですね。

他にはトヨビューというカメラを作っているやはり小さな会社もあります。
大阪豊中市から、トヨという名前を採ったそうです。



こういった蛇腹を使ったカメラの特徴は、
下から仰いで撮った写真が上に行くと狭まっているのを、
まるで真横から撮ったみたいに上下の線が真っすぐに並行線になる事です。

しかし、その特徴も現在のデジカメは撮影後での補正が出来るみたいなので、
そうなると大型フィルムカメラの存在意義は、どうなってしまうのでしょう?
確かにその精密な描写力は凄いものがありますが、
それだっていずれデジカメが凌駕するんじゃないかと、
いや、既にそれを上回っているのかも知れません。
本当に消えゆくカメラなんでしょうか・・・



私が若い頃、勉強の為に使ったのは、
トプコン・ホースマンという4×5インチの蛇腹カメラでした。
トプコンは東京光学という会社製なので、
会社自体は現在もありますが、果たしてこんな採算割れする様なカメラを、
製造しているかは、分かりません。







以前、私はこういった大型カメラの精密描写力で撮りたかった物があります。
それは消えゆく昭和の家でした。
藁ぶき屋根の家とかは多くの写真家が撮っていますが、
何気ない一般家庭の家を撮りたかったのです。

もう、そんな情熱も失くなってしまったのですが、
タチハラとかの組み立て暗箱カメラを見ると、
たそがれて行く、昭和の家の懐かしさに、心が揺れるのですね。



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2 コメント

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アオリ機能 (tachinon)
2021-10-15 22:35:00
リンホフ様とか馬男様とか・・雲上カメラでしたが、花の写真を撮っていて欲しかった機能は「あおり」ですね。背の低い例えば、春先のオオイヌノフグリと家の写真を撮る時、真ん中にピントを合わせると、前後はボケてしまうから、かなり絞らないとダメなのですが、アオリ機能を使えばそれが解消されるんですよね。・・まぁ当時でも古臭い35mmのウエストレベルに蛇腹つけて100mmで、しかもASA100位で撮ってたので、そんなことは無理だったんですが、「アオリ機能」は憧れでししたね。
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あおりでしたか (河童)
2021-10-16 04:35:44
tachinon様 ありがとうございます

ホースマン(馬男)ですか(笑)
大判カメラのアオリ機構は35ミリ一眼レフにも、
そういった機能が付いた交換レンズが確かありましたよね。でも小型カメラと違って風景が全部逆さまに見えるのは、慣れないものでした。
今のデジカメの編集アプリには色々なのがあるみたいですから、試されてみては如何でしょう。
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