河童の歌声

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デジタルカメラという怪物

2016-08-14 12:12:43 | 写真
今の若い人が(カメラ)といえば、
それは即ちデジカメの事であり、フィルムという概念はもうありません。

私が若い頃には、
カメラといえば、当たり前にフィルムカメラであり、
それ以外の媒体など無いし、考えてもいませんでした。
写真を撮るという事は、使用する媒体(フィルム)の特性を理解し、
使いこなす様に腕を磨いたものです。

当たり前だったフィルムは既に過去の遺物(とまでは言わないが・・)
そんな存在になってしまいました。
本当にこれほど劇的な変化が訪れようとは、考えもしませんでした。


デジタルカメラは、1975年にアメリカのコダック社が開発したとの事。
コダックと言えば、言わずと知れたフィルムメーカーの大手。
「エクタクローム」や「コダクローム」といった、
リバーサルフィルムでは、圧倒的にプロが使うフィルムの代名詞的存在でした。

リバーサルの様な写真の専門家的な人が使うフィルムとは別に、
ネガカラーといわれる、一般的なカラーフィルムとなると、
日本にもフジカラーとか、コニカフィルムとかが有りましたが、
やはりアメリカのコダックフィルムは、相当の人気がありました。

そのフィルムメーカーの旗手的存在のコダックが、
フィルム不要のカメラを開発したというのは、本当に皮肉ですね。
コダック社は2012年に倒産してしまったのですから。

若い頃は別にして、
途中ブランクのある私が初めてデジカメを買ったのは、
今から15年くらい前だったか・・?
凄く小さな、ポケットに入るサイズのカメラでした。

それはすぐに物足りなくなり、少し大きなカメラを買ったり。
デジカメはフィルムカメラに比べて、小さいというのが最も優れた部分だと私には思えました。
その思いは現在に至っても変わらないので、
私は20万円、30万円といった大型で重いデジカメを買う気にはなれません。

かつてはアサヒ・ペンタックス6×7といった、
重く大きなカメラを使っていた事もありましたが、
あれを又やれと言っても、もうあんな重たいカメラを振り回す気にはなりませんね。

それに今のデジカメは小さくても、その描写性能は凄いのです。
あんな重たいカメラでなくても、充分に綺麗に写るのです。
特大のポスターでも撮るのでなければ、
素人カメラマンには、もう充分過ぎるほど充分な写真が撮れるのですね。

そして、フィルムカメラには絶対に無いもの。
それはカメラでありながら、(動画)が撮れるという点です。
これは、昔の常識で言ったら、
まさに、青天の霹靂、なんですね。

私は若い頃には、普通の写真とムービー(動画)の両方をやっていましたので、
ムービー用には、フジカ・シングル8というカメラを別に持っていました。
それが現在では、普通のデジカメ一台で、スチール写真と動画と、
両方が何の問題もなく撮れるんですから、もうビックリです。
こんなのは、昔の常識で言ったら(手品)みたいなもんです。

2008年だったか、2009年だったか・・
歌声喫茶にはまり始めた私は、歌声仲間たちの尾瀬旅行には一緒に行けず、
一日遅れとかで独りで彼等と合流すべく尾瀬に行きました。
バス停を降りて、さて写真を撮り始め様とカメラを取り出した私は・・・
「ウッソー!」

カメラにメモリーが入っていなかったのです。
つまりフィルムの入っていないカメラを持っていったと同じ事。
その日が、私にとって初めてのデジカメ旅行だったのです。
本来が写真好きな私にとって、カメラの無い旅行は、
女性の居ない世界に来たと同じ意味ですから、
その口惜しさったらありませんでしたね。

売店では、一般的なフィルムは売っているのに、
メモリーはまるで扱っていなかったのです。
「バッカヤローッ」
・・でも、本当の「バッカヤロー」は俺だったんです。(泣)

今でもあの口惜しさを思うと、地団駄踏んでしまうのです。
私は黙ってモクモクと初めての尾瀬を歩いたんですね。
いい女を見たって、それを撮れないんですから、
もう黙って死んだフリをするしかなかったんですね。

しかし、何だかんだ言ったって、世はデジタルの時代になっちゃったんだから、
フィルムカメラに比べてあまりにも難解な使用法をマスターして、
「いい女」の写真を撮っていくっきゃないんです。
時々は、歌声喫茶の写真も、そりゃま~撮るけどさ・・・
コメント
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