ブルーノ・タウト展(07年)とロンドンのタマゴ。
青山ワタリウム(WATARI-UM)で開催しているブルーノ・タウト展に行きました。
ブルーノ・タウト(1880~1938)は桂離宮を”再発見"したドイツの建築家。1933年~1936年にかけて日本に滞在し、建築だけでなく椅子、工芸品などプロダクトデザインも手がけました。
日本では、そのころすでに西欧化=近代化という明治時代以降の西欧崇拝の価値観が根付いていましたが、桂離宮の美についての著作初版本はすぐ売り切れとなりました。
他の建築家からはそれほどタウトの著作の価値については評価されていなかったようです。ある建築家の「それまで気にも留めていなかったのに異国人が良いといえばその言に左右される人もいる」という意の、タウトじたいについてというよりも日本人を皮肉ったコメントを読み、今も70年前とそれほど変わっていないのではと考えさせられました。
タウトの作品は階ごとに色を塗り替えたベルリンの集合住宅や、さまざまな大きさの長方形の窓がアシンメトリーに並ぶ高校などの実際に使われるための建築に加え、↓出世作のグラスハウスの模型
ブルーノ・タウト 桂離宮とユートピア建築 マンフレド シュパイデル オクターブ このアイテムの詳細を見る |
(1914年ドイツ工作連盟ケルン展ガラス産業パビリオン)や、アルプスの山中にガラスの建物をつくるという構想もありました(実現せず)。これは建築というよりも、第一次大戦で疲弊した人々の心をなぐさめるという都市計画の意味合いだったようです。
★冒頭の写真は、ロンドンのシティー(金融街)で見つけた卵。タウトのグラスハウスとは縁もゆかりもないと思いますが、イメージが似ていませんか?近くまで行ってみましたが、普通のオフィスビルでした。
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