「手掴みにしてむしゃむしゃ食って仕舞った、」此の様子をじっと目にしてい「吾輩は猫」様もそれ以上自分の家庭の恥を曝すのが忍びかったのでしょうか、子供たちの食事風景から目を転じて、そばで食事しているご主人様の様子に移ります。
「先刻(さっき)からこの体(てい)たらくを目撃していた主人は、一言(いちごん)も云わずに、専心自分の飯を食い、自分の汁を飲んで、この時はすでに楊枝(ようじ)を使っている最中であった。主人は娘の教育に関して絶体的放任主義を執(と)るつもりと見える。」
こんなお父さんが、今の世の中に、果して、いるのでしょうか。黙って見ぬふりをして娘たちの為すがままにです。「絶体的放任主義」とは、よく考えたものです。
「ほっとけば子供は自然に大きくなる。食事の作法ぐらいなことで、そう、とやかくいわんでもええ」
と、いう放任主義の上を行く、「超ほっとけ無視主義」だと、私は思います。
でも、超ほっとけ無視主義で、そんな「体たらく」な事と、猫さへも恥ずべきことだと思うような食事作法を、父親として、と言うより親として、よくもほっとけるものだと思います。それも一ことも言わずにです。
あなたにはできますか?
此の御主人さまを見た猫様は、次のように将来を推察しています
「今に三人が海老茶式部(えびちゃしきぶ)か鼠式部(ねずみしきぶ)かになって、三人とも申し合せたように情夫(じょうふ)をこしらえて出奔(しゅっぽん)しても、やはり自分の飯を食って、自分の汁を飲んで澄まして見ているだろう。働きのない事だ。」
「働きのない事」そうです。うすのろのちょっといかれた人のすることで、決して、紳士がすることではないと、決めつけています。
そう主人を決めつけた猫様は、少し、主人さまに対して悪い気がしたのかもしれません。次は、いささか、ご主人様の「働きのない事だ」を擁護までしています。
「しかし今の世の働きのあると云う人を拝見すると、嘘をついて人を釣る事と、先へ廻って馬の眼玉を抜く事と、虚勢を張って人をおどかす事と、鎌(かま)をかけて人を陥(おとしい)れる事よりほかに何も知らないようだ。」
ここまで読んで、ふと思いつきます。
昨夜、総選挙の立会演説会に行きました。有名応援弁士の人が声高らかに曰わります。
「・・・赤面もなく、ええ加減なばらまきの政策ばかりを並べている経験のないへなちょこ政党に国政を担う力はありません。・・・わが党でなかったら日本は立ち直れません・・・」
と、言うのです。
まさに、
「・・・虚勢を張って人をおどかす事と、鎌(かま)をかけて人を陥(おとしい)れる事・・・・」そのものです。
この県の名士にしてもこの体たらくです。政治家でありながら、本当に今の日本の空気が読めない人だと、呆れながら聞いていました。これでは勝てるものでも勝てないような気が会場でしました。もっと「吾輩」を読めと言っているような気がしてなりませんでした
明日の夜の、これら名士の顔が見たいものだと思います。
「先刻(さっき)からこの体(てい)たらくを目撃していた主人は、一言(いちごん)も云わずに、専心自分の飯を食い、自分の汁を飲んで、この時はすでに楊枝(ようじ)を使っている最中であった。主人は娘の教育に関して絶体的放任主義を執(と)るつもりと見える。」
こんなお父さんが、今の世の中に、果して、いるのでしょうか。黙って見ぬふりをして娘たちの為すがままにです。「絶体的放任主義」とは、よく考えたものです。
「ほっとけば子供は自然に大きくなる。食事の作法ぐらいなことで、そう、とやかくいわんでもええ」
と、いう放任主義の上を行く、「超ほっとけ無視主義」だと、私は思います。
でも、超ほっとけ無視主義で、そんな「体たらく」な事と、猫さへも恥ずべきことだと思うような食事作法を、父親として、と言うより親として、よくもほっとけるものだと思います。それも一ことも言わずにです。
あなたにはできますか?
此の御主人さまを見た猫様は、次のように将来を推察しています
「今に三人が海老茶式部(えびちゃしきぶ)か鼠式部(ねずみしきぶ)かになって、三人とも申し合せたように情夫(じょうふ)をこしらえて出奔(しゅっぽん)しても、やはり自分の飯を食って、自分の汁を飲んで澄まして見ているだろう。働きのない事だ。」
「働きのない事」そうです。うすのろのちょっといかれた人のすることで、決して、紳士がすることではないと、決めつけています。
そう主人を決めつけた猫様は、少し、主人さまに対して悪い気がしたのかもしれません。次は、いささか、ご主人様の「働きのない事だ」を擁護までしています。
「しかし今の世の働きのあると云う人を拝見すると、嘘をついて人を釣る事と、先へ廻って馬の眼玉を抜く事と、虚勢を張って人をおどかす事と、鎌(かま)をかけて人を陥(おとしい)れる事よりほかに何も知らないようだ。」
ここまで読んで、ふと思いつきます。
昨夜、総選挙の立会演説会に行きました。有名応援弁士の人が声高らかに曰わります。
「・・・赤面もなく、ええ加減なばらまきの政策ばかりを並べている経験のないへなちょこ政党に国政を担う力はありません。・・・わが党でなかったら日本は立ち直れません・・・」
と、言うのです。
まさに、
「・・・虚勢を張って人をおどかす事と、鎌(かま)をかけて人を陥(おとしい)れる事・・・・」そのものです。
この県の名士にしてもこの体たらくです。政治家でありながら、本当に今の日本の空気が読めない人だと、呆れながら聞いていました。これでは勝てるものでも勝てないような気が会場でしました。もっと「吾輩」を読めと言っているような気がしてなりませんでした
明日の夜の、これら名士の顔が見たいものだと思います。
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