私の町 吉備津

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吉備のへんてこりんな土器についてー土と火のオブジェ展より②

2009-10-26 20:00:38 | Weblog
 現在開かれている岡山県立博物館での「土と火のオブジェ展」で、吉備地方から出土した種々な土器を紹介しているのが第2室です。その部屋で、特に異彩を放っているのが「特殊器台」と呼ばれる土器です。
 これは、弥生式墳丘墓や前期古墳時代の祭礼時に使ったと考えられている、吉備地方だけにしか見られない特殊な土器なのです。
 なお、この土器は、その後の研究で、例外的に、日本最古前方後円墳(3世紀末)ではないかと言われている大和の箸塚古墳や出雲の古墳などでも、数例見られると言われていますが、吉備地方発の文化の日本各地への伝播を物語る証拠ともなっている物の内の一つでもあるのです。又、そのことは、それだけ古代の吉備が、大和等と並ぶ日本でも有数の強力な勢力を保持していたことを物語る物的証拠ともなっているのです。
 そのように考えると、この「特殊器台」と呼ばれる土器は、単なる吉備と言う一地方の古代を物語る一遺物ではなくて、岡山県人として日本に、いや世界に誇れる重要なる歴史的文化遺産なのです。
 その写真です。
   
 なお、蛇足ですが、この特殊器台が元になって、後に、造山古墳等で一般的に見られる円筒埴輪に変わって行ったと言われています。