私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

晩秋のお山を歩く

2007-11-23 16:06:45 | Weblog
 先日、11月の末頃が細谷川の紅葉が見ごろだろうと、このブログに書きました。
 そんなこともあって、果たして、今が見ごろかなと偵察をかねて、家人が
 「何処へ行くの」
と、いぶかしげな顔を見せているのを尻目にお山の紅葉の散策にとしゃれ込んでみました。
 七五三のお祝いだとかの一杯の参詣者の中、吉備津様におまいりを済ませて回廊を通り抜け、南の口から細谷川沿いにお山に登ります。
 その南入り口で、たまたま、今日、珍しい獅子狛犬を見つけました。写真のように狛犬の頭には一本の可愛らしい角がちょこんとはえています。

 その狛犬の側を通って細谷川の遊歩道に出ます。この道に沿って多くのもみじが植えてありました。ごく最近植えられた若木もたくさん見受けられます。
 ここの細谷のもみじは、その場所が、谷間ということもあって周囲の大木に陽を遮られて、まだき、殆どがもみじしてはいませんでした。緑が未だに主で、ごくわずかにそのはさきの一部がほんのりと遠慮したかのように赤みを帯びている程度です。これらの木々は秋を知っているのでしょうか。
 もみじせぬ常磐の谷間はどうして秋を知るのでしょうかと、洒落ては見たものの何か物寂しさが辺りに漂っているようでもありました。そんな山道をゆっくりゆっくりと登りました。
 もみじせぬ大木の間から見える、日当たりの良い場所にある山楓は、今が盛りとその色を一斉に輝かせています。その違いにも痛く心を悩ませながら、長い石段のある山道を息を弾ませながら登ります。
 私の後から数人のご婦人登ってこられます。お若くは見えなかったのですが、そのご婦人たちは、なかなかの健脚の持ち主のようで、追いつかれそうになります。私はしんどいのを我慢して、普通は途中で1、2回は休み休み登るのですが、今日は若気をだして一気に登りきり、やがて吉備津彦命の御陵の前に着きます。でも、息は詰まりそうでした。若気とは大変なことだということを再確認します。
 
 今日は、勤労感謝の日ということもあって沢山の人が後から後から登ってこられます。
 ここの管理者である、吉備津の名物男「坂田」さんが、それらの人たちに熱心に御陵について説明されています。
 「ここで打つ拍手の音は、どこか天も地も飲み込んでしまいそうなぐらい響きが聖なのです」
 「このご陵墓の真ん中を二分して、備前と備中の堺にしています」
 「夏の雷はなぜか分らんのですが、このお山に集まるのです」
 「犬もご稜内では決しておしっこはしませんよ」
 など、次々と、坂田さん自身のこの山での経験をおもしろおかしく説明しておられます。
 
 暖かい勤労感謝の日の、私のささやかなる新嘗祭で、自然に対する感謝の日にもなりました。
 今夜のお酒が楽しみです。