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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

モヤモヤ

2021年08月04日 | 研究
いよいよ気候変動についての会合が始まりました。
WebEXという始めてのシステムなので、ちゃんと接続できるか不安でしたが
問題なくスムーズに繋がりました。
発表は練習した甲斐あって堂々としたもの。
とても初陣とは思えない出来です。
15分間の説明が終わるといよいよ質疑応答の時間。
想定質問を作って練習をしましたが、
そう簡単にこちらの思惑通りにいくはずないのも想定内。
あとは頭をフル回転させ、最後は度胸で乗り切るしかありません。
参加されているのは県庁や市町村の環境関係の部署の皆さん。
もちろん環境省や国立環境研究所の方々もいらっしゃいます。
ハードな質問か、それともソフトな質問か。
さあどんな質問が来るかとメンバーみんな身構えていると、
なんと皆さん質問ではなく感想しかお話にならないではありませんか。
気合いを入れて立ち合いに挑んだフローラハンターズは
この肩透かしにキョトン。勢い余って前につんのめりそうでした。
このまま練習を無駄にはしたくないと思い、
最後にこちらで無理やり追加説明などを突っ込んでみましたが
どうもしっくりしないまま終了となりました。
不完全燃焼。このモヤモヤした気持ちは
9月に開催される学会主催の高校生発表会にぶつけるしかないようです。
それから数日後、環境省から発表に対してメールをいただきました。
「グローバルな視点もさることながら、いずれの技術も環境への影響を最小限に減らせるよう
環境が改善できるよう配慮されていて、過去には農業や農薬による環境影響が課題となることも
ありましたが、今の若い人たちはきっと改善してくれると、本当に頼もしく思いました。」
褒められて伸びる環境班。がぜんやる気がでたようです。
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片付けましょう

2021年08月03日 | 研究
馴化温室のテーブルに残されていた試験管。
中には水と土が入っています。
これは塩害抑制の技術開発に取り組んでいる女子メンバーのものです。
フローラハンターズは今年4月に結成されたばかりの研究チームですが
彼女の研究はすでに2年目を迎えています。
なぜなら彼女は昨年のJr.。トレジャーハンターズのアドバイスを受けながら
1年生の頃からこの研究に取り組んできました。
そのため研究の深さは2年生ながら3年生並み。
もしかしたら先輩以上に面白いデータを集めているかもしれません。
いつもなら分析が終わったら試験管をきれいに洗って
次のサンプル採取の準備をするのですが、
今回はなぜか分析しっぱなしで机上に放り出しています。
実は彼女の研究はほぼ終了。もう分析予定はないのです。
本当ならきれいに洗って夏休みを迎えるべきでしたが
7月中旬の名農は体育祭の準備で大忙し。
授業もないうえ放課後は練習なので後始末をする時間が取れなかったのです。
夏休みの出校時に片付けてもいいのですが、
夏の馴化温室は人の侵入を阻む灼熱の世界。危険です。
汚部屋にならないよう夏休み明けには整理整頓したいと思います。
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思い出の引き金

2021年08月03日 | 学校
ここに2つの植物にあります。
左は花弁がパッと開いた花。一般的な花の姿です。
ところが右はラッパのように細長い筒状の花。
あまり多くは見かけませんが、確かにこんな花も野原で見かけます。
例年この周辺にくまのプーさんのようなマルハナバチが飛んできます。
もちろん蜜を吸うためですが、好んでくるのはどちらの花でしょう。
それは右の筒型。マルハナバチは舌が長く、
このような筒状の花でも舌を伸ばし蜜を吸えるのです。
逆にミツバチは舌が短いので、この手の花に寄ってきません。
つまりマルハナバチ専用の甘味処という感じです。
筒状の花の蜜を吸いたいからマルハナバチの舌が伸びたのか、
マルハナバチだけに受粉を手伝ってもらいたいから筒状に進化したのかは
わかっていませんが、相思相愛の関係だといわれています。
お互いが形態を特化させスペシャリストとなりましたが
これが今、悲劇を生んでいます。
環境の変化で筒状の花がなくなるとマルハナバチは生きていけません。
マルハナバチがいなくなると筒状の花は子孫を残せません。
チームフローラフォトニクスの研究に震災時に取り組んだ種差海岸の
サクラソウ保全活動がありますが、まさにこの花が悲劇のヒロインでした。
明るい草原が好きなマルハナバチですが、防風林として松を植樹。
松林は草原を覆い、日陰を作ってしまいます。そのためマルハナバチは姿を消し、
種子繁殖できないサクラソウはクローン繁殖をするようになり
みるみる自生地の遺伝的多様性が失われていったのです。
幸い最近、防風林を伐採して明るい草原に戻す活動が行われたので
近い将来、マルハナバチが帰ってくる可能性があり期待しています。
筒状の花を見ると思い出の引き金となり東日本大震災が蘇ります。
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いち抜けた

2021年08月02日 | 研究
夏休みに入ってもう10日ほど経ちました。
1学期の終業式の前に行われるのが賞状伝達。
運動部や農業クラブでいただいた賞状を全校生徒に披露するのです。
ここにある3つの賞状は環境班がいただいたもの。
研究は4月に始まったばかりで、まだまとめも行われてないのに不思議です。
実はこの受賞対象は環境班のあるメンバーが昨年のJr.時代に
トレジャーハンターズのアドバイスを受けながら取り組んだ研究。
昨年の活動が年度を越して認められたのです。
活動を始めたばかりなのに賞状をいただけるとは上出来。
これからの励みになるはずです。
ところで課題研究は授業なので夏休みでも出校することになっています。
いろいろな内容が計画されていますが、メインは今週行われる研究のまとめ。
しかしチームは一人一研究のため6名全員集まったら収拾がつきません。
そこで3グループに分かれて行われる予定です。
9月には学会主催のオンライン発表会に出場するので
まとめるにはちょうどいい時期かもしれません。
さて皆さん、もうお分かりですか?
まとめるということは研究が終わったという意味です。
4月にジェットスタートを切った環境班。
名農にはたくさん研究チームがあり調査に取り組んでいますが
今年も環境班がいち抜けです。
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豊作の予感

2021年08月02日 | 学校
この小さな赤い実をつけている植物はなんでしょう。
果実の大きさは5mm程度と極小です。
これがリンゴンベリー。日本でいうコケモモです。
フローラは今まで、研究発表のため2度もスウエーデンに行ったことがあります。
そこで食べるスウェーデン料理に必ず添えられていたのがリンゴンベリー。
ジャムやソースでいただきました。甘酸っぱくてとても美味しいのですが
日本ではまだ一度もお目にかかったことはありません。
それはどうしてでしょう。
今年は豊作の予感がするリンゴンベリーですが
あまりにも果実が小さく、これを加工するため鍋いっぱい集めるとなると
とんでもない数のリンゴンベリーの樹が必要となります。
またそもそも北欧の野山に自生しているというリンゴンベリー。
広い野山を散策しながらブルーベリーやキノコなどと一緒に収穫するのだそうですが
日本では富士山や青森県の岩木山など高山に自生するだけ。
地域そのものが冷涼な北欧と違い、温暖な日本で
高山植物の畑を作ること自体、無理があるのかもしれません。
そんなことで食べてみたい方はインターネットで
輸入加工品が手に入るようなので、ぜひトライしてください。
ところでツルコケモモ という植物がありますが、こちらはクランベリー。
コケモモのリンゴンベリーとは別の植物です。
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