goo blog サービス終了のお知らせ 

花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

残るプロジェクト

2021年02月18日 | 園芸科学科
初めて見る人でもすぐピンとくる風景。そうです。
名農正門から校舎に続く坂道にあるツツジのトピアリーの製作風景です。
時は2009年。フローラが結成された年。
この製作をリードしたのは当時の園芸科学科草花班でした。
当時は草花班だけで3チーム。先生も3名ついていました。
もちろんそのひとつがチームフローラフォトニクスです。
しかし大規模工事のため、その下準備は4月の開校記念日に
普通科の先生方や農ク役員の手伝いをもらいながら進めたことを覚えています。
早いものであれから12年が経ち、トピアリーもすっかり大きくなりました。
「地図に残る仕事」とは、ある建設会社のキャッチフレーズ。
何年も何年も残る大型プロジェクトで社会貢献するという意気込みを
伝えていますが、このトピアリーも同じ。
この製作に携わった生徒はもちろん、先生方の多くはすでに転勤、退職されて
名農にはいらっしゃいませんが、今も年間を通じで在校生を楽しませています。
機会があって学校を訪れた際、これは私たちが作ったんだと
胸をはって話しているかもしれません。
地図には残らないけれど、名農生の心に残る仕事。
名農史に刻まれるビッグプロジェクトのひとつだと思います。
コメント

チャレンジするから楽しい

2021年02月18日 | 学校
名農農業クラブの機関誌「汗」です。
発行は平成22年度と記載されていますから2010年。
フローラ結成の翌年です。2009年の結成年、フローラは
さまざまなものにチャレンジを始めますが、
中でも印象的なものが学会主催のポスター発表会への参加。
初めて出場したのは秋に山形大学で開催された日本植物学会ですが
最初はポスター発表の意味が分からなくて、
どのようにして発表するものかいろいろ資料を探しては対策を練ったものです。
ところがLEDを使った草花栽培がユニークと評価され、いきなり優秀賞。
受賞も嬉しいのですが、それ以上に原稿を使わず自由にディスカッションする
スタイルの面白さに完全にハマってしまったフローラはその年、
野菜班、生物工学班、草花班など5〜6チームの研究班を誘って次々と大会に出場。
すると奇跡は続きます。なんと年明けの3月に明治大学で開催された日本畜産学会で
フローラが初めての最優秀。翌日、はしごで東大で開催された日本農芸化学会に出場すると
フローラの兄弟分であるアップルガールズがまたまた最優秀。
参加した名農生は、やればできることを目の当たりにし、大いに自信を持ちました。
しかし当時一番楽しかったと話すのは、たくさんの農業の先生と生徒が土肥実験室に集まって
夜までワイワイ切磋琢磨しながら練習し合うこと。
こんなにも研究が楽しいものか、次はこんなことにチャレンジしようと
先生も生徒も一緒になって研究談義に盛り上がっていました。
この時の名農の空気感は、この後始まる快進撃を予感させるものだったと思います。
すごいのが、この雰囲気をすかさず汲み取った農業クラブの行動力。
さっそく2010年春から校内ポスター発表会を実施します。
この2010年の機関誌の大見出しは「名農ポスター発表元年」。
まさしく名農みんなでポスター発表を楽しむようになった記念の年でした。
表紙を飾る左上のポスターこそ、日本農芸化学会で最優秀を受賞したポスターです。
コメント

Mission complete

2021年02月17日 | 研究
いたずら好きだったフローラ。卒業を前に誰にも内緒で勝手に
校舎前の庭にクリスマスローズガーデンを作りました。
フローラの後継者であるハンターズも同じ。
最後に何かやってやろうと兼ねてから内密で計画を立てていました。
それが地元新聞への投稿。というのも今年は春からいろいろな方から応援してもらいました。
行くところどころで頂いた「頑張れ」とか「おめでとう」のメッセージは
ハンターズの励みとなり120%も力を出すことができました。
また光栄なことに地元新聞社はハンターズをりんご娘とともに表彰もしてくださいました。
これは想定外の出来事。しかし皆さんのところをまわってお礼を言うことはできません。
そこで新聞を通じて、たくさんの皆さんにお礼のメッセージを出そうと計画したのです。
先日準備万端となり投稿したところ、代表メンバーのところに新聞社から返信が来ました。
なんと掲載決定だそうです。実はそれが今朝の新聞。
2月17日の東奥日報社の明鏡欄に載っています。
500字ぐらいの短い文章ですが、ハンターズ全員の感謝の気持ちを発信しています。
ぜひご覧いただけると幸いです。
卒業間近、極秘に企てたミッション。これにて任務完了です。
みなさん本当にお世話になりました。
コメント

お一人様150坪

2021年02月17日 | 学校
現在、雪の中の名久井農業高校ですが
先日、農場で冬季剪定の講習会が開催されたようで
徐々に春に向かって動き出しているようです。
おそらく5月に販売される野菜苗の育苗もスタートしていると思われます。
さて青森県の中でも小規模校農業高校の名農ですが、校地面積は約23万㎡もあります。
よく東京ドーム○個分という表現をしますが、それを適応すると約5個分。
お隣の大規模校である三本木農業高校の校地面積は
東京ドーム11個といいますから、その約半分の大きさと考えることができます。
しかし生徒数は三農の3分の1しかありません。
では名農生一人に割り当てられる農地面積はどれぐらいでしょう。
名農の農地は東京ドーム3個分である約14万㎡。
定員数で計算してみるとなんと名農生一人当たり150坪にもなります。
150坪といったら300畳の超巨大ワンルーム。
一般的な25mプールの1.5倍の面積という垂涎の物件なのです。
もちろん農道や森林なども入っての面積ですが、普通高校ではありえないこと。
つい大規模校に目が行きますが、小規模校にはこんな掘り出物件があるのです。
なんて贅沢なことでしょう。あらためて名農の恵まれた環境に驚きます。
広い緑のキャンパス。春になったらどんな夢を描こうか。
コタツでミカンならぬリンゴを食べながら、計画を練ってみましょう。
コメント

もちは餅屋

2021年02月16日 | 園芸科学科
この本は日園連(日本園芸農業協同組合連合会)が
毎月発行している果樹の専門図書「果実日本」です。
嬉しいことに今月号に、名農が誇る園芸科学科のチームドローンの
研究成果が掲載されています。今でこそドローンと聞いても驚きませんが
彼らが取り組んだのは4〜5年前になるでしょうか。
農薬散布に使えると話題になり始めていた頃です。
そんな時にチームが注目したのは誰も手がけていない溶液受粉。
広大な果樹園にドローンを飛ばし、上空から花粉などの入った溶液を散布して
手間のかかる人工受粉の労力を軽減させるユニークなアイデアです。
今では実用化試験も行われ、スマート農業の新技術として確立されようとしています。
実はこのアイデア、意外と知られていませんが当初思いついたのはフローラでした。
産総研がドローン受粉の研究していることを知り、問い合わせたところ
花粉をつけた筆をドローンに持たせ、ハチのように受粉するというアイデアで
どちらかといえば操縦技術の話。実際に果樹園で行うことを想定した研究はまだないので
頑張ってくださいと逆にエールをいただいたぐらい最先端の発想でした。
しかし幅広い研究に着手できる環境班といえども、果樹に手を出すのは無謀というもの。
そこでもちは餅屋ということでプロフェッショナルの果樹班に提案したところ即実行。
数年間で実用化まで進めたのですから、その実行力、技術力には本当に驚きです。
さらにメーカーと組んで東京ビッグサイトで技術紹介するなど全国区の活躍をしました。
取り組んだ果樹班のメンバーをハンターズのように「彼ら」と紹介したくなりますが
園芸科学科は女子が多い学科。したがって開発に当たったのは女性エンジニア中心でした。
そんな園芸科学科も2020年から募集停止。現在の2年、3年生が卒業したら閉科となります。
名農で学べる主な農業分野は、野菜、果樹、草花、施設。
いずれも最後につく言葉は「園芸」です。名農園芸高校といってもおかしくない学校から
園芸科学科が消えてしまうのはとても残念です。
ぜひ彼女たちの成果をご覧ください。
昨日から始まった高校入試の願書受付。静かに世代交代が始まろうとしています。
コメント