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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

モールド

2021年02月21日 | 研究
缶ジュースのような筒がたくさん並んでいます。
これはハンターズが三和土の強度試験のための供試体を作るのに用いたモールド(型枠)です。
そもそもコンクリート用のものですが、ハンターズはこの筒の中に
三和土を詰め込んでは何本も固化させました。
モールドは金属製、プラスチック製などいろいろなものがありますが
中から三和土を取り出す時は壊してしまうので、一番安い紙製を購入しました。
とはいっても需要が限られているためか1セット40〜60本入りで2万円弱と高額。
これには驚きました。しかしハンターズが製作する供試体は100種類を超えます。
したがってモールドは2回目から100円均一ショップの紙コップになっていました。
何をやるにしても初めてのことばかり。決められた期間内で実験を終えるためには
なるべく失敗はしたくない。そんなことから最初は少し高くても既製品を選びましたが
やっていくうちにいろいろ学習して安価な代替品にたどり着いたというわけです。
現在、大量のモールドの廃棄作業をしていますが、紙と金属部分を分けるのに
思ったよりも手間がかかっています。
廃棄を考えると全部金属、全部プラスチックの方が楽だったかもしれません。
さて卒業まで秒読みに入ったハンターズにまたまた歓談の依頼が来ました。
どこかと思ったらびっくり。ヨルダン大使館です。
グランプリのお祝いということですが、雨の少ないヨルダン。
ハンターズのアイデアが活かせれば嬉しいと思います。
たいへん名誉なお話。予定は明日月曜日なので
資料を準備し失礼のないよう対応したいと思います。
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センターコート

2021年02月20日 | 学校
卒業式が近づいていますが、学校の中庭はまだご覧のような雪。
雪から雨に変わる日が次第に増えていますが、なかなか溶けません。
この雪が溶けると中は全面芝生。春になると爽やかな緑の空間となります。
その昔、ここは軟式のテニスコートでした。
今も昔もグラウンドにテニスコートはありますが
当時はグラウンドが男子テニス部、中庭は女子テニス部が使っていました。
この中庭のコートは校舎の中心。つまりセンターコートだったため
放課後どこに行くにしても練習風景が目に入ってきました。
当時、名農のテニス部は強かったため部員もたくさんいたような気がします。
さて現在は芝生になっていますが、
残念ながらここで憩う人は見たことがありません。
やろうと思うとなんでもできそうな適度な広さ。
周囲は窓ガラスだらけなので、1階から3階まで全ての窓から見ることができます。
今はできない人気の野外フェス。許可をもらって
吹奏楽部や有志のバンド演奏を行っても面白そうです。
コロナが終わったら、こんなことをしてやろう。
生徒も先生も中庭の活用を考えてみてはいかがでしょうか。
今日は全豪オープン女子決勝です。
なおコロナのため2月末まで部活動の対外試合等及び外部人材の活用を
制限している青森県ですが、学年末休業日の開始日の前日まで
1ヶ月延長することが決まりました。
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首の皮一枚

2021年02月20日 | 研究
現在、名久井農業高校では来年度にむけた準備が着々と進んでいます。
先日は、1年生に対して来年度の課題研究班の希望をとったようです。
実は昨年も一昨年も環境システム科の調査用紙には
残念ながら環境班という選択肢はありませんでした。
なぜなら一昨年はフローラが解散したためもう環境班はなくなると上層部が判断したから。
しかし今までのフローラの活動が認められて存続が急遽決定。まさに青天の霹靂です。
その影響で、すでに入る班が他に内定していたにもかかわらず
無理やり環境班に集められたのが現在のトレジャーハンターズです。
そして昨年も同じ理由。トレジャーハンターズは2年間の期間限定チームなので
彼らが卒業したら解散。そのため後輩を募集する必要はないというのが理由です。
このルールからいくと、まもなくハンターズが卒業するので
名農から環境を研究するチームが2021年度は消滅する予定でした。
ところがなんと今年の1年生の希望調査用紙には環境班の名前があるではありませんか。
ただし、かつてのように単独で店を構えることはできず、
養液研究班の傘下という位置付け。でも辛うじて名前が残っています。
長年積み重ねた環境研究の財産が引き継げそうで、まずはひと安心です。
しかしまだ第一関門を突破したすぎません。
なぜなら、せっかく募集しても希望者がゼロなら
お上によってお取りつぶしされるかもしれないからです。
皆さんは先輩が大活躍したから、希望者が増えると思われるかもしれませんが
意外とその逆の方が多いのです。環境班に入ると大変そうだなと思うのか
志の高い人は来てくれますが、希望者数としてはいつも減ってしまうのです。
お笑い界では第七世代がブームですが、
フローラ、トレジャーハンターズに続く環境研究第三世代が誕生するには
もうひとつハードルを越さなければなりません。
答えは女神フローラのみぞ知る。朗報を待ちたいと思います。
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鳥の眼

2021年02月19日 | 研究
ハンターズが倉庫がわりに使っている土肥実験室の準備室。
片付けをしていますが、そこから古いノートが数冊出てきました。
おそらくご覧になっても、いったい何を描いているのかわかならいと思います。
なぜなら人に提出して見せるためでなく、自分たちの頭の中を
整理するために書かれたものばかりだからです。
研究を進める時、どのような疑問を解くために
どのような方法で実験をするのか、栽培するにはどうすれば良いのかなど
いろいろ決めておかなければなりません。
メンバーはそれぞれ頭の中でぼんやりとイメージはあるものの
それをノートに書いて見える化すると、面白いように矛盾や改善点が見つかります。
そこでああでもない、こうでもないとノートにベラベラ描きながら設計図を作るのです。
このページはだいぶ整理されていますが、その前のページは鉛筆でぐちゃぐちゃでした。
これは2018年、世界大会を目指すファイナルフローラが
温室でどのような区を設定するかを整理したもの。
この図に基づいて30個以上もの水槽を注文することになったのです。
4月になるとジェットスタートを切る環境班。
このような設計図があるからこそ、フローラもハンターズも
悩まずに8月のゴールを目指して突っ走れるのです。
ぜひ冬のうちに頭の見える化に励んでみてください。
そういえば昔、弁論大会に出場することになった生徒。
ある学校の校長先生に指導してもらおうと原稿を持って行ったら
こう言われたそうです。「このお話を図に示して持ってきて!」
ナイス指導です。ピントくる人、こない人。さまざまだと思いますが
研究でも作文でも、ちょっと俯瞰して見る鳥の眼が大切です。
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土台はできている

2021年02月19日 | 研究
2010年3月、東京大学で開催された日本農芸化学会主催のポスター発表会表彰式です。
この年、初めてポスター発表会に出場したチーム名農。
しかしどの大会もSSHばかりで農業高校はまったくいません。
そんな場違いの世界に飛び込んだため、SSHの生徒からはいつも冷たい眼差し。
当然、表彰式では下位の賞から順に発表されていきますが呼ばれません。
ところが最後の一校、つまり最優秀で学校名が呼ばれたではありませんか。
テーブルの上の料理だけはSSHに負けられないと夢中に食べていた名農生は
誰も気づきません。周りにいわれてびっくり。もちろんSSHも目がテンです。
受賞したのは女子二人組。フローラの兄弟分である2代目アップルガールズです。
彼女たちが発表したのは「遮光がリンゴの果実の品質に及ぼす影響」。つまり白いリンゴです。
当時テクノ愛でグランプリを受賞したこともあり全国の新聞やテレビを賑わしている真っ最中。
他校の生徒さんも質問してくださる専門家の先生もその存在はすでに承知しているよう。
あの「白いリンゴ」の発表だとポスター前にはひときわ人だかりができていました。
しかし話題だけではありません。先輩から「白いリンゴ」の研究を引き継いだ女子たちは
遮光することで果皮の色や厚さ、糖度、硬度、果汁量などがどう変わるのか、
またなぜ真空パックで冷蔵保存すると1ヶ月以上も白い肌のままいられるのかなど
植物生理の面から品質を考察したユニークなポスターを披露。
さらに元気な農高女子らしい元気でキレの良い質疑応答が先生方からも好評でした。
これを機に名農農業クラブは校内行事にポスター発表を導入しました。
面白いことに名農に導入されたポスター発表の文化は、みるみる県内の農業高校に波及。
現在はどの農業学校でもポスター発表を楽しむようになっているそうです。
農業クラブの県大会の研究発表会は各校3チームしか出場できません。
しかしポスター発表ならたとえ50チームでも出場可能。いつの日か全国大会とは関係なく
県農ク主催のポスター発表会が県大会やリーダー研で開催され、各校の生徒みんなと
わいわい発表し合う文化が育っていったらどんなに素晴らしいことでしょう。
もう土台はできています。農業高校の底力を広く知ってもらうためにも
全国に先駆け、青森県連が初めてチャレンジしてはいかがでしょうか。
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