花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

嘘のような本当の話

2022年05月08日 | 研究
1年生のJr.が培地に電気を流した培地です。
培地の縁だけでなく全面にびっしりと
小さなナメコが無数に発生しているのがわかります。
人工栽培でキノコを発生させる時は「菌かき」といって培地の表面を削ります。
すると菌糸が切れ、そこにキノコの蕾である原基ができるといわれているからです。
ところが電気を流すと培地の表面はもちろん、
横からもとんでもない数のキノコが出て来ました。
表面を削る菌かきと違い、電気は培地全体に流れます。
おそらくこれが原因で培地のいたるところの菌糸を傷つけ、
無数に原基ができたのだと想像しています。
昔から雷が落ちた木にはキノコが発生するのを田舎の人は知っています。
またキノコのホダ木をハンマーなどでなぐっても発生するといいます。
間違いなくみんな菌かきと同様、菌糸が傷つき原基ができるからだと思うのです。
しかし人工栽培で行われていることと自然界で起きていることを
結びつけて考える人はあまりいないようで、
数年前はこんな研究など誰もしていませんでした。
でもJr.にとっては予想通りの結果でした。
ところが彼らにはこの仮説を証明するのが難しく、
学会主催の発表会とコンクールでそれぞれ1回受賞しましたが
Jr.が発見したこの興味深い結果はなかなか信じてくれませんでした。
嘘のような本当の話。誰か試してみませんか。
なおこの時のJr.はその後、環境研究班に入り
2018年の水の国際大会で準グランプリを受賞しています。
もしあの時、再チャレンジしなかったら研究に対する良いイメージがもてず
準グランプリなどなかったかもしれません。

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