花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

日本一を引き継ぐ

2019年01月13日 | 園芸科学科
日本で一番生産されているりんごの品種は「ふじ」。
2位の王林とは生産量で3倍以上もあります。
甘さと酸味の絶妙なバランスは世界でも人気です。
また保存性が高いのでおそらく今、
店頭に並んでいるのはふじが多いのではないでしょうか。
そんな日本一の品種「ふじ」が育成されたのは
かつての青森県藤崎町にあった農林省園芸試験場東北支場。
名前の由来ともなっている町です。
なんと1962年に品種登録された古いりんごで
レッドデリシャスと国光の2種類のリンゴを交配したものだそうです。
現在、世界で栽培されているふじは原木を接ぎ木で増やしたものですが
その原木は試験場の移転に伴い1961年に藤崎町から岩手県の盛岡市に移ります。
しかし藤崎町の働きかけもあり、最初に生まれた青森県の藤崎町にある
藤崎園芸高校、現在の弘前実業高校藤崎校舎にひこばえが移植されました。
こちらも接ぎ木などしていない根までふじのDNAを持った貴重な原木です。
ところが少子化の関係もあり、藤崎校舎は2018年をもって閉校。
そこで昨年の秋に近くの柏木農業高校にこの原木がまたまた移植されました。
日本のりんごを語るうえでなくてはならない品種ふじ。
来春からは柏木農業高校が日本一の品種ふじのDNAと
日本一熱いりんごへの情熱を引き継ぐことになります。
同じ青森県の農業高校の仲間として心からエールを贈ります。
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ブナの根開き

2019年01月13日 | 学校
雪から草の枯れ枝が出ています。
昔から気になっているのですが、
なぜこのように植物などの周辺だけ早く雪が溶けるのでしょうか。
溶けるということはその部分だけ温度が他より高いということ。
なぜ高くなるのでしょう。
調べてみると黒っぽい茎などの物体が白い雪面から反射される光を集めて
それでやや熱を帯びるからだとか、
春になると樹木などは活動を始めるため水が吸い上げられ、
その水の移動で温度が多少でも上昇するのではないかという説が見つかりましたが
詳しく実験を通して証明した例はないようです。
春先に樹木の周辺の雪が溶ける現象を「根開き」といい
雪国では「ブナの根開き」は春の訪れを伝える美しい風景としてよく紹介されます。
逆に春スキーで穴に落ちる事故もこの根開きが原因です。
身近なところにまた不思議を見つけました。
小中学生の自由研究は夏休みにするものですが
誰もしていない冬の自由研究も面白そうです。
名農は京都大学と雪国向きLED信号機開発に取り組んでいます。
熱を出さないLED信号機に着雪させないアイデアは
同じように着雪問題を抱える自動車のヘッドライトや
雪国のソーラーパネルにも応用できるはず。
今月下旬にまた京大の先生がいらっしゃるようですが
こんな現象も開発のヒントになるかもしれません。
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