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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

手つかずの宿題

2021年08月14日 | 園芸科学科
またまた名久井農業高校自慢のモモが学校に並びました。
先月下旬に販売されていたのは「あかつき」という品種。
皆さんが期待しているのはこれから収穫は始まる「川中島」。
実はこのモモは、この2つのモモの間を埋める品種で「まどか」といいます。
資料ではこのまどか、品種登録がされておらず
そのかわり「まどか」という名前を商標登録しているとあります。
真偽はわかりませんが、そうだとしたらなかなか面白い品種です。
さて大昔、夏休みの学校に地元の小学生から電話がかかってきました。
農場長の先生が電話に出たのですが、モモについての質問とのことでした。
聞き耳を立てて聞いていると、質問内容がもれ聞こえてきました。
なんと質問は「どうしてモモのタネは赤いのか」。
農業の先生方がたくさん近辺にいましたが
みんな顔を見合って首を振っています。
なぜ赤いのか、そういえば果肉にも赤い筋があります。
でもなぜ赤いのかは考えたこともありません。
あの時、小学生から出された宿題は
恥ずかしながらまだ解けていません。
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国家資格にチャレンジ

2021年07月23日 | 園芸科学科
先々週あたり、土肥実験室によく行くと
フラワーアレンジの実習をした形跡がありました。
おそらくフラワー装飾技能士を目指す園芸科学科の人たちが
放課後に実技練習をしていたのかもしれません。
なぜわかるかというと忘れ物が毎回あるから。
先日はこんな可愛らしいものが残されていました。
ピンク色のハサミ。環境班にはこんなきれいな色のものありません。
さらに緑のテープもあります。花束を作る際、
ワイヤリングといってワイヤーで茎を巻いて落ち着かせます。
そのままだとワイヤーが見えて格好が悪いので
隠すためにこの緑のテープで茎をぐるぐる巻きにするのです。
これをフローラテープとかフローラルテープといいます。
こんなテープはフラワー関係者じゃなければ使いません。
だからこの忘れ物を見てすぐわかったのです。
フラワー装飾技能検定は花関係で唯一の国家資格。
かつてそれこそチームフローラフォトニクスのメンバーも取得し
実際に今も花屋さんで頑張っている人がいます。
園芸科学科のラストサムライ。頑張ってもらいたいものです。

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体を張れ

2021年07月18日 | 園芸科学科
この時期、たくさんの方が検索しているのが摘果した幼果の利用法。
モモやリンゴなど果樹にはたくさんの実ができますが
そのまますべて放置すると大きくなりません。
そこでいいもの以外は間引いて大量に廃棄されます。
廃棄されるものを有効利用しようというのは農業高校研究の定番。
かつて環境班はチームフローラフォトニクス時代から
何度もチャレンジしてきました。なんといっても大ヒットは
皆さんあまり食べなくなった地域特産の妙丹柿の渋抜き法の開発。
なんと最初は紫外線で成功。さらに改良を加え最後は
真空パックで簡単に硬いまま脱渋できることを発表しました。
最近はフローラ解散の2年ほど前に取り組んだリンゴの摘果利用。
ご覧のようにピンポン玉ぐらいの小さなリンゴです。
たくさんの方がチャレンジしていますが、利用しにくい問題点があります。
それが渋味、エグ味。フローラの女子たちが体を張った実験の結果
この渋味は果実中央。種周辺にあることを突き止めます。
逆に果肉部分は甘さこそありませんが、
しっかりとリンゴの風味が残っているため利用できると判断した彼女らは
芯をくり抜いて加工を開始。いろいろと作りましたが
中でもアップルソースは秀悦。まだ幼果なので紅玉やレモンを入れなくても
程よい酸味が広がるのです。また摘果リンゴにはクロロゲン酸という良質な
ポリフェノールg含まれていることがわかり大いに評価されました。
柿もリンゴの幼果もそのままでは食べられる代物ではありません。
作っては、もがき苦しむという体を張ったまるでコントのような
トライの末に得た貴重な成果です。夏が終わると一段落するフローラハンターズ。
また摘果利用研究でもやろうかと園芸科学科から幼果をいただき
今は時が来るまで冷凍庫で大切に保存しています。
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神様のデザイン

2021年06月28日 | 園芸科学科
園芸科学科の草花温室です。
ご覧の通り、花壇苗が見事な花を咲かせています。
この花はペチュニア。よくホームセンターなどで販売されています。
また寄せ植えには欠かせない定番の花なので、皆さん馴染みだと思います。
面白いことにこのきれいな花は、ナス科に属しています。
原産地もトマトやジャガイモと同じく南米。
まだ発見されて250年ほどという比較的新しい花なのです。
さてナス科は、アブラナ科やウリ科などとともに農業植物における一大勢力。
名門の相撲部屋のようなもので、ナスはもちろん
トマトやジャガイモ、ピーマンなど看板力士がたくさん抱えています。
ナス科の花の特徴は先が5つに分かれていること。
確かにこれらナス科作物の花はみんなシャープな星型で
さらに花弁が繋がっている合弁花です。ペチュニアの花も合弁花。
よく見ると花の縁が5つに分かれ、ナス科の特徴があらわれています。
ただ星型ではなく縁が丸いラウンド型。
ナスやトマトの花に比べ、優しいイメージを受けるのはこの形にからくるものでしょう。
縁が5つに分かれた合弁花というルールを維持しながら
正反対のイメージを作り出すとは、神様はなかなかのデザイナーのようです。
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課題も楽しく解決しよう

2021年06月12日 | 園芸科学科
畑作と果樹園が主力の第1農場です。
道が名久井岳に向かって伸びていますが、その両脇にはたくさんの果樹の木。
リンゴ、モモ、サクランボ、ウメ、ブドウなど
フルーツの里「南部町」ならではのオールスターが揃っています。
また山吹色の建物がなんともいい感じ。
ここだけ見ると外国のような景色です。
さてこんな長閑な第1農場ですが、もう少しすると一気に活気づきます。
それがサクランボとニンニクの収穫。いずれも収穫期は今月下旬からで
果樹を担当する園芸科学科がサクランボを、
畑作を担当する生物生産科がニンニクを収穫します。
サクランボもニンニクもこの地域の特産物。
毎年、学科をあげてみんなで楽しく収穫を行います。
ところが園芸科学科は今年度をもって閉科。長い歴史に幕を閉じ、
名久井農業高校は3学科から2学科という新体制になります。
現在の予定では園芸科学科が担当していた草花部門は
同じ施設を使うことから環境システム科に、
そして果樹は食糧生産を担当する生物生産科に移行することが決まっています。
そうなると来年の6月のサクランボとニンニクの収穫は
生物生産科が担当することになります。
これはてんてこ舞い。もしかしたら環境システム科に
助っ人の依頼が来るかもしれませんね。
名久井農業高校には果樹地帯という地域の特性から水田はなく
全校あげての田植えという行事はありません。
これからサクランボやニンニクの収穫が
名農ならではの全校行事になるかもしれません。
新体制の課題も楽しいアイデアで乗り切りたいものです。
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