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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

苔ガール

2020年09月26日 | その他
苔ガールという言葉があります。
苔を観察しては写真などを撮影し楽しむ人たちで、よく話題になります。
苔ガールの聖地といわれる場所が青森県にあります。
それが奥入瀬渓流。14kmもの長い長い渓流で
2013年に日本蘚苔類学会から 「日本の貴重なコケの森」に選定されています。
あたり一面手つかずの緑に覆われているので
湿度が保たれ、300種類以上の苔を見ることができるようです。
この奥入瀬渓流は十和田湖から流れ出ていますが
歩くなら下流から上流へ。この方が高い方から水が流れてくるので
渓流の段差を楽しめるからです。
春の新緑、夏の深い緑も素敵ですが、
何といっても一番人気は紅葉した秋の奥入瀬渓流。
国立公園ということもあり、あまり観光地化していないので
それはそれは言葉を失う絶景の連続です。
渓流に沿って赤や黄色の木々の中を歩いていくと
そこは十和田湖。そして八甲田へと紅葉は続きます。
すぐそばにこんな十和田八幡平国立公園があるのに
地元の人はいつでも行けると思っているのかあまり足を運びません。
今年はコロナの影響であまり観光客も少ないようなので
ぜひ機会があったら苔ガール、苔ボーイになってみてください。
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大丈夫なの

2020年09月13日 | その他
9月に入り、早いところでは稲刈りが始まったという
新聞記事が目に入るようになりました。
さて先日、こんな水田を見つけました。
ほとんどが写真の奥に写っている田んぼのように
だんだん黄色になってきているのですが、手前の田んぼは濃い緑色です。
別の作物ではないのかと思ってよく見ると、ちゃんと穂があり水稲です。
いったいどうしたのでしょう。
一般に肥料、特に窒素肥料を与えすぎると
いつまでたっても青々とし、適期に収穫できなくなってしまいます。
よく田んぼの四隅とか一部が濃い緑色をしている田んぼを見かけます。
あれは栽培前に堆肥を積んでいたところ。
肥料成分がそこだけたくさん滲み出たからだと思われます。
また水を取り入れる水路の水口でも同じ現象が起こる場合があります。
それは水温が低いから。冷害のように常に冷たい水が入ってくるので
なかなか成長しないのが原因です。でも今は登熟期。水はいれません。
ではなぜこの田んぼは見事なぐらい全面濃い緑色なのでしょう。
やはり肥料設計を間違って、肥料を多く入れすぎたのかも知れません。
窒素肥料が多いと倒伏しやすく、病気も多くなります。
台風などが発生する時期なので、どうなるのかちょっと心配です。
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精霊馬と精霊牛

2020年08月16日 | その他
お盆になるとよく目にする風習のひとつに精霊馬・精霊牛があります。
キュウリが馬でナスが牛。ご先祖様の乗り物です。
なぜ2種類必要なのでしょうか。
実はご先祖様がこちらに帰ってくる際に乗るのが精霊馬、
お帰りになる際に乗るのが精霊牛と違うからです。
早く帰ってきてほしいので馬、ゆっくり帰ってほしいので牛。
そんなご先祖様への思いが込められています。
調べてみるとこれは全国的なものではなく、
関西の方ではこのような風習がないところもあるようです。
しかし残念ながら、この田舎の青森県でも、
ナスの牛やキュウリの馬を目にする機会は減っています。
それどころか地域ならではの風習や郷土料理も消えつつあります。
子供の頃に経験しなかったことは、伝承などされるはずがありません。
そこで農業高校では、これらの風習やその由来を紹介したり
実際に体験してみる授業をすることがあります。
なぜ家庭科ではなく農業で教えるのでしょう。
地域のほとんどの風習や食は、かつての自給自足の暮らしの中から生まれたもの。
つまり地域の風習を知ることは、地域農業のルーツを学ぶことになるからです。
教科「農業」では伝統的な芸能や風習、食を守り伝えるのも大切な使命なのです。
しかし暮らしそのものだった農も、いつの間にか生業となり
経済性などを追求する農業となりました。
昨日は終戦記念日。戦争体験をいかに伝えていくかという話題が毎年出ますが
こちらも果たしていつまで先人の苦労や知恵を伝えていけるのか不安を感じます。
さて来週金曜日はもう始業式。果たしてコロナの夏、
名農生はどんなお盆を体験してきたのでしょうか。調べてみたいと思います。
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ヤマセを捉える

2020年08月02日 | その他
日中、気温が30度近くまで上昇し、とても暑かったのですが
午後になると急に深い霧が発生してきました。
それと同時に気温も24度まで下がっています。
これが青森県の太平洋側で見られる偏東風の「ヤマセ」です。
北東から吹いてくる低温多湿の緩やかな風は
目で見ることはできませんが、
このように霧を携えてやってくるのですぐわかります。
太平洋から入ってくるヤマセは、川や平野を通って
内陸に進み、農作物の生育に影響を与えます。
特に昔はこのヤマセによってたびたび冷害が発生し、
米がまったくとれなくなり、多くの餓死者を出しました。
現在は耐冷性品種が開発され、この地域でも稲作ができるようになりましたが
それでも最近では平成に大きな冷害を引き起こしています。
面白いことに、このヤマセは山や丘陵によって進行が遮られます。
青森県には中央に八甲田連峰があるため、ヤマセはそれ以上先、
つまり津軽地方にまでは届かないのです。
したがって寒く霧の深い太平洋側から自動車で津軽に向かうと
八甲田連峰を越えたあたりで急に青空が広がるという不思議な現象を目撃できます。
津軽はリンゴと米の産地、太平洋側の南部地方は土の中で育つ
ニンニクやナガイモなど根菜類の産地。
青森県の地域による特産物の違いは、すべてヤマセが生み出したものなのです。


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釣り人はくるか?

2020年05月10日 | その他
岩手県から流れてくる一級河川の馬淵川。
その左手奥には麗峰と呼ばれる優しい姿の名久井岳が見えます。
ここは校舎から第1農場に向かう途中の大きな橋。
馬淵川といえばウグイや川ガニが有名ですが
秋になると立派な鮭も遡上してきます。
この地域では鮭をこの付近で捕らえ、
これまた右手の建物で孵化させ放流しています。
さて南部町は八戸と違って海に面していません。
しかし馬淵川やその支流があるので
川釣りや渓流釣りを趣味にしている名農生がたくさんいます。
皆さんは川で釣りをした経験はありますか。
いつもであれば、そろそろこの川岸にも釣り人が集まってきます。
昔は、実習に行く途中、釣り人の姿に見とれて
ついつい授業に遅れてしまう人が出たものです。
でも今年はコロナの関係で、釣り人はくるのでしょうか。
初夏の風物詩を安心して眺められる日が早くきてほしいものです。
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